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明かされた真実~ファータ王妃の死の真相~

「いつも隣に座ってご飯取り分けてくれたのも、リンゴむいてくれたのも、髪が痛まないようにとかしてくれたのも、全部ジル兄ちゃんだったのに…。」とリディアが体を大きく震わせながら泣いている。それを見たアラベルがリディアを抱きしめて、


「薬が入った荷物を、私が運ぼうとしてる時も必ず助けに来てくれたり、女の子は危ないから1人で行動することがないようにって、いつも声をかけてくれたし、たくさんの美容方法教えてくれたのも…、ジルヴェスターだった。」静かに涙を流す。


「美容って…。確かにあいつの肌と髪の毛は、すっごく綺麗だった…。」玄人が納得している。


「確かに…。」と口を揃えるくらいにジルヴェスターは男性陣も納得の美しさを兼ね備え、美を追求する姿は誰しも尊敬しているくらいだった。


 彼とは、そこまで交流がなかった私でさえも、ジルヴェスターが寡黙でありながら、常に皆に気を配り、優しく接している場面を何度か見てきたし、その美しさを羨ましいと思った事は幾度となくある。


 それ故、交流が多かった仲間としては、彼の背信行為は到底受け入れがたいものであるのは容易に想像できる。そんな仲間の様子に凱はため息をついてから、


「その透明な石は確実にあちらの12支人の石ということで間違いないのか?」ラルスに確認する。


「そうです。それは間違いありません。ああ、私がどうやってこの3つの石を手に入れたか話せばわかるでしょう。御説明しますね。


 じゃあ、まず1つ目。これは僕がファータで長い眠りから覚めた時に握りしめていた正真正銘私の石です。

 次に2つ目のこの『蒼護石』はファータの王妃が持っていたもの。


 そして3つ目の問題の石。これはその夫ファータ国王が持っていた『貴護石』。」


「え?どうしてファータ国王の石を持ってるの?」私は驚きのあまり声が上ずる。


「今から少し前ですかね…。私が世界の様子を見て回っていたら、突然彼が視界に入ってきて邪魔だったもので…、手下共々一掃してやりました。その時の戦利品をいただいてきた…というわけです。」と言い、にやっと笑う。


「視界に入って邪魔だった?一掃?」ラルスの発言に、マグヌスが驚いて問う。


「言葉のとおりです。慌てて…逃亡中だったんですかね?体は傷だらけで…、その手にこの石が見えたので、奪うついでに一掃してきた…というのが正しいかなと思いますが…。」ラルスは何でもない事のように笑って答える。


「お前1人で…か?」フィンが驚いて聞く。


「ええ。」にこにこしながらテーブルに置いてあるお菓子をつまみながら、


「死にゆく様は、それはそれは哀れでしたが…。まあ、あの男は自分の妻を…、だいぶ前ですが手にかけたようなゲス野郎なので、当然の報い…と言うべきでしょう。」と言い、あまりのショックで動くことができない私をちらっと見る。


「ファータ王が?母を殺したっていうの、私のファータの…あの父が?」私の頬から涙が一筋落ちていく。父響夜と母、月は私の心中を察し、2人で私を抱きしめる。



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