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背信者~裏切りの石~

「なんで?」


「3つも?なぜ3つも持ってるんだ?」凱が聞く。にやにや笑いながらなかなか答えないラルスにいらつくフィンが、


「もったいぶってんじゃねえよ。」とにらみつける。


「まあ焦らず…まずこちらはそちらにいる4人の方と同じ各星の王が所有する緑の石『翠王石』。そしてこちらは使徒の皆さんと同じ物、蒼い石『蒼護石』…そしてこの透明な石は…。」ラルスはその石を手に取り、ゆっくりと皆に見せる。


「ジルヴェスターの石と同じだ!」リディアが指を指して言う。その発言に怪訝な表情でラルスは声を荒げながら、衝撃の言葉を発する。


「なぜこの石を持った者がここにいる!」私たちは驚く。


「この石は…、破壊神の12支人が持つ石だ!」そこまで言うとラルスは突然、部屋の後方に向けて雷のような光を放つ。私たちは驚きつつ、その光の先を見る。


「ジルヴェスター!」兄のエドヴァルドが叫ぶ。


「この透明な石が12支人の…?ジルヴェスターが?そんな…。」私は声が続かない。


 ラルスが放った光の攻撃はジルヴェスターを狙ったものだった。だが、それを瞬時に察したジルヴェスターは、その時すでに転送術でこの部屋を後にしていた。


「さっきまで私の隣にいたのに…。」リディアが言う。


「嘘だろ…、ジルヴェスター…。」兄のエドヴァルドがショックで立ち上がれない。


「なぜ?」莉亞はうつむいて顔をあげることができない。


「まあ、ここに居続けられた理由は何個かありますね。まず1つ目、彼は自分が12支人であることを自覚していたが、ここの仲間が良い方ばかりだし、居心地は良いし…、なかなか抜け出せずにいた。2つ目、12支人として、こちらの動きを偵察していた。3つ目、自分が12支人であることを、私の言葉で今の今知って、ここにはいられないと出て行った。そんなところでしょうか?」


 ラルスはさらっと話すが、仲間として共に行動してきた私たちとしては、そう簡単に割り切ることは出来ない。


「そんな…ジルヴェスター。」皆、ショックを隠し切れない。


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