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必然性~母と凱の直感~

 凱の突然の行動に、私と玄人は驚きと同時に怖さも感じていた。私は凱が中学時代からパソコンに詳しいことは知ってはいたが、まさかサーバーに侵入とか、そこまでのレベルだとは思ってもいなかったので、先ほどの先生とのやり取りが自分の知らない凱を見ているような気持ちだった。


「ねえ、凱。さっきの話だけど…、いつからそんな、サーバーに入るとか怖いことやってるの?」私は凱に問いただす。凱は振り向いて、何事か?という表情で私を見て、


「なんでそんなムキになってる?」逆に凱が私に問う。


「そりゃ、そうじゃない!パソコン詳しいのは知ってたけど、まさかそんな事まで…。」私はあまりのショックに目に涙が溢れそうになる。凱は私の表情を見て少し驚いたようだったが、微笑んで私の頭をポンポンとして、


「そうだな…、心配させて悪かった。ちゃんと話さないとな…。」遠くを見ながらそう言った凱が静かに話しだす。


「俺がパソコンでいろいろ始めたのは…、莉月さんから自分がバートラルであることを告げられてから、この先パソコンのスキルが必ず必要になると…、ふと感じたからなんだ。直感?って奴かな…。すごく曖昧なんだけど、莉月さんにも相談したら、莉月さんにも俺のそのスキルがこの先の近い未来に必ず必要になるから、今から身に付けたほうが良いと…。莉月さんも、なぜか?は分からず、直感って言ってたけど…。


 その時は具体的にそのスキルがどう役立つか…なんて俺にも莉月さんにも分からなかった。でも、今思うのは、ここまでのスキルを身に付けることによって、いぜっきーの力を知ることが出来たし、その力を借りることが出来る。この世界を救うために、俺がいぜっきーとネット上で遭遇することは必要不可欠だったんだ。」凱はここまで言って一息ついて、続ける。


「パソコンの必要性を感じてから…、とりあえずパソコンを買って、それから莉月さんに具体的にどんなスキルを身に付ければいいかと相談したんだけど、今俺がやってるような事をとにかくきわめたほうがいいと…。それから俺は、いろんなサーバーに侵入したり、プログラミングの技術を身に付けたり…、とにかくパソコンに関することはなんでも身に付けておこうと思っていろいろやってきた。その中で…、


見ず知らずのハッカーから俺の腕を見込んで誘いが入ったんだ。国家最高機密のサーバーに侵入してデータを盗み、莫大な防衛費からはした金をいただこうと、そいつは提案してきた。額が大きすぎるからちょっとだけならばれないからと、そのハッカーは俺をそそのかそうとしたようだけど…俺はそれを断った。それ以降そいつからの接触は無く、それきりになっていた。


 その後、俺が高校に入って伊関先生が担任になった時、そのハッカーしかわからない情報を職員室で入力しているのをたまたま見た俺は、

『あのハッカーは…、いぜっきーだ』と確信したんだ。」凱が再び一息つくと、玄人がすかさず尋ねる。




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