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【お兄ちゃんの幽霊~初めまして双子の妹~】

 仲間たちの真の姿が少しずつ明らかになり、蒼の石は使徒の持つ石ではないかとの推測が出てくるが、確信がないまま皆で話し合っていると、室内が突然異様な空気に包まれる。


「何?変な感じがする…。」リディアが騒ぎ出す。


「敵じゃないオーラみたいだけど…。何か…、くる!」母がそう言うと、その目の前に現れた光の中から10代半ばと思われる中性的な顔の柔らかい雰囲気を持った男子が現れる。身長は170センチくらいだろうか。肩まで伸びる淡い水色の髪を1つに縛り、大きな淡い黄色の瞳は好奇心に満ちた光をたたえている。


「あなたは誰?」私が慄きながら尋ねると、黙ったまま、まっすぐリディアの方に行き、突然抱きしめる。驚いて攻撃魔法を繰り出すリディア。するとその魔法を瞬時に打ち消して、


「お兄ちゃんだよ。」と優しく語りかける細身で色白の男子。ここにいる全員がその言葉の衝撃に、


「え?」と思わず耳を疑う。リディアの兄を名乗る男はすっと立って、


「申し遅れました。私はサイファと申します。このリディアとミディアの兄。先ほどヴァイマールにいき、母と会ってきました。母から、こちらに皆さんがいらっしゃると聞き、急いで参りました。」驚きの連続に頭が混乱している中、私は何とか脳をフル回転させて質問する。


「え?リディアのお兄さん?リディアにお兄さんがいたなんて、初めて聞いたのだけど…。」するとリディアが前に出て、


「莉羽。リディアね、昔、お母さんから、私とミディアが生まれる、ずうっと前に、お母さんのお腹の中で死んでしまったお兄ちゃんがいるって聞いたことがあるよ…。」そう言って、じっとサイファの顔を見るリディア。サイファはリディアの頭を優しく撫でで、


「それが僕だよ。リディア。」そう言ってニコッと笑う。それを聞いたリディアは、


「じゃあ、あなたは、お兄ちゃんの幽霊なの?」リディアは素朴な疑問をサイファにぶつける。するとサイファは笑いながら、


「今から話すね。」リディアに言うと、視線を仲間たちに向け、真剣な眼差しで続ける。


「今に至るまでのこと。話すと長くなるのですが…、私が知っていることはおそらく、今後の戦いに必要となると思います。」私たちは、その真剣な表情から、彼がこれから話そうとする内容に、今後の戦いにおいての何か重要なヒントが隠れていることを肌で感じ取る。


「聞かせてください、そのお話。」私も彼同様、真剣な顔で答える。


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