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【それぞれの石~それぞれの使命~】

「普段はこんなに光っていないのに、共鳴?しているからなのかしら…、とてもきれいね。」莉亞が目を輝かせる。


アラベル、リディア、リーゼキャロル、コンラード、エドヴァルドが蒼の石。フィン、エルフリーデは王の石で緑。アーロはシルバー。ジルヴェスターは透明。そして、莉亞の石が突如、皆の目の前で赤から緑へ色を変える。


「えっ?色が…。」皆、莉亞の石から目を離すことが出来ない。自分の石の色が緑に変わったことに驚きながら、


「これは…。王の石?ってこと?」と莉亞が困惑している。そんな莉亞に、優しくほほ笑みながらエルフリーデがその手を取る。すると莉亞も目を閉じ、よろけてしまう。それも先回りした父コンラードが支える。


「間違いありません、この方はアースフィア王です。」エルフリーデがにこっとほほ笑みかける。


「え?前アースフィア王は響夜さんじゃなかったのか?」コンラードが驚く。


「確かにそうです。でも、響夜さんは前回の回生でその資格を失い、その力が娘の莉亞さんに継承されたようです。」エルフリーデはそう言って、響夜の方を見て、


「良かったですね。力が娘さんに継承されて、さらに強きものになっているようです。」そう伝えると、響夜は感激のあまり涙を浮かべ、莉亞に、


「そうか…、お前に力が…、良かった。」莉亞は響夜に抱き付いて、


「アースフィアのお父さん、力をありがとう。私、みんなと共に頑張るね。」心からの思いを伝える。


 家族として共に過ごした事が一切ない、親子である事実を伝えられただけの自分に対して、ここまで心を許し、自分の胸に身をゆだねる娘の気持ちに心打たれ、父響夜は涙を堪えるのに必死だった。

そんな父の姿に、莉亞の目も光っている。仲間たちは、微笑みながらそれを見守っている。


私は涙ぐむ莉亞の肩に手を置き頷いて、


「アーロはシルバーで、神士教。エルフリーデさんはファータ、莉亞はアースフィア、フィンがシュバリエの王?」と整理しながら確認すると、


「そういうことになりそうだな…。」凱が言う。


「私が…王…なんだね。」莉亞は、自分に起きていることに信じられないといった表情で私を見る。私はうんと頷いて、


「2人が王だなんて…。私の仲間はなんて最強なの!」私が莉亞とエルフリーデに微笑むと、後ろから、


「俺もいれてくれよ、莉羽。なんで俺だけ仲間はずれなんだよ~。俺も王だってはっきりしたじゃんか~。」とフィンが半べそかきながら、莉亞とエルフリーデの間に入ってくる。それを見た仲間の顔も笑顔になる。そんなフィンの背中をこっそり、


「シュバリエ王。よろしく頼みますよ。」と言いながら小突く、凱の顔は珍しくいたずらっ子のようで、私の表情も緩む。


そして、莉亞の石に気を取られているうちに、凱の石もいつの間にか色を変え、私と同じ赤になっていたようだが、その時の私はその事実を全く知らなかった。


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