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【深まる謎~破壊神の復活と人の雨~】

 フィンが自分の発言に信じられないといったようで、記憶をたどりながら話す。


「空から、人が?どういう事だ?」年長者だけにいつも落ち着いた雰囲気のコンラードでさえも驚き、思わず声を発する。


「ごめん、それしか分からない。でも、空がオレンジで、黒雲が垂れ込めていて…異様な雰囲気の中、たくさんの人が空から降っていた…。」仲間の顔が次第に強張っていく。


「そんな…、それが過去の事なのか、未来の事なのかで話は変わってくるけど、もし万が一、未来の話だとしたら…。」莉亞が絶句する。


「そうですね、過去か未来か…。実は、私も先ほど、おそらく同じ映像を莉羽様と手を重ねた時に見ました。とても恐ろしい映像で…。人が次から次へと地上に向けて降ってくるんです。それが何を意味しているのかまでは全く分かりませんが…。もし、その映像が未来の話であるならば、石の保持者を早急に探し、それを阻止せねばなりません。」両手で自分の体を抱きしめて、自分の恐怖を押さえながら話すエルフリーデは続ける。


「それと…、潜伏先のファータのとある村で、国王が流したと思われる兵団長反逆の話と、石の保持者の特別な力が世界を救うには不可欠であるという話を聞きました。これは意図的にファータ王が流した噂であると考えますが、民はこの噂をすでに信じ切っている様子で…。ファータ王が実権を握っている限り、私たちにとって不利な戦いは続くと思われます。」神妙な面持ちで話す。


「確かに…、破壊神の復活とその映像が関係しているなら、時間が迫っていますね。それと…、もう村人達まで石の力の話が広まっているという事ですよね?」エドヴァルドが言う。


「どうやら、この世界を救うためにはその石と、その保持者が必要不可欠で、莉羽様がそれを所望しているとの話が回っているのです。」エルフリーデの家臣が言う。


「ということは、国王が私の名前を使って、石とその能力者集めをしているということね。」私はむっとして言う。


「そういうことらしいな。お前の国民からの絶対的信頼と秘めた潜在能力…、民を動かすには十分だ。」凱が私の顔を見ながら、落ち着けといわんばかりに頭をポンポンと叩く。


「莉羽様の求心力に加えて…、石を持ってきた者には少なからず報奨を与えるようで、村人たちは石を探すのにさらに躍起になっています。」と、エルフリーデ。


「なるほど…。ということは…、まだ見つかっていない可能性が高いわね。みんな自分の石をもう1度出してみて。」母が皆に声をかけると、それぞれが自分の石をテーブルに置き始める。


すると、さっきまでは何でもなかったただの石が共鳴するかのように光りだす。


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