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【幽閉~メルゼブルクの地下牢~】

 仲間たちの頭の中にメルゼブルクの王宮が映し出され、さらにズームアップしていくと、王宮の地下深くにあるとされる牢獄のような画像が映し出される。


「真っ暗だね。」怖いのか、リディアが莉亞に抱きつく。


「光が全く無いから、僕が調整して今は何とか見えてるけど、ここはほんとに光が無いみたいだね。」ログが説明する。


さらにその奥の画像が映し出されると、幽閉されているのか、部屋に閉じ込められた1人の女の子の姿が見え始める。


「これは誰?」アーロが凱に聞く。


「見たことないな…。王宮の地下に女の子が幽閉されてるなんて話も聞いたことないし…。」凱が答える。


「なぜ閉じ込められてるか分からないけど、こんな暗黒の世界から、この子、早くここから出してあげないと…。でも一体いつからここに閉じ込められているのかしら…。」莉亞は心配そうに言う。


「俺の記憶にないということは…、10年以上は確実にここにいると思う。」凱は昔の記憶も思い起こそうとするが覚えがない。


「とにかく行って、この子を助けなきゃ。」私が言うと、


「待て。お前と俺は死んだことになっている。俺たちは表立って動かない方がいいと思う。もし俺たちが生きてることが分かれば、メルゼブルクは混乱するだろう。」


「そうか…、じゃあ誰か…。」ぐるっと見渡すと、


「僕が行きます。」アーロが答える。


「アーロ…。」


「アーロが行くなら私も行く!」とリディア。


「リディア、行けるの?僕1人でも大丈夫だよ。真っ暗だし…。」


「ううん。私もアーロと一緒に行きたい!」リディアは引くつもりがないようだ。


「わかった。僕たち子供だけど強いから大丈夫。2人で行くね。」私たちは驚き、そして微笑む。


「うん。わかった。気を付けてね。ちゃんと見てるし、もしもの時は飛んでいくから。」私が言うと、


「頼んだよ、莉羽!」アーロが答える。


「おう!任せて!」私はニコッと笑う。


「じゃあ…、まず国王にこの女の子について聞いてみないと…。おそらく王なら何か知っているでしょう。あんな事件の後だから、王がどう出るか分からないけれど、王から邪悪な気配は感じられないから、今なら大丈夫だと思うわ。」母が言う。


「それは息子である俺がやります。心層にコンタクト取ってみるので大丈夫です。」凱が言う。


「私も!国王の容態も心配だし…。」魔法省最高責任者の娘として、私も王と話したいと思った。


「じゃあ、凱、莉羽、頼む。ところで…、さっきファータに戻ったコンラードから、到着の連絡はついたのか?」響夜が莉亞に確認する。各星に待機している仲間とは、逐一連絡を取り合うことになっているが、コンラードからの連絡がない。


「それが…、数分前も連絡したんだけど…。返答がないの。」莉亞が答える。


「あんなにきちっと仕事をこなすコンラードなのに…、何かあったのか…?」皆の表情が曇る。


「とりあえず、引き続き連絡をしてみるしかないな。コンラードの事だ。何か考えあってのことかもしれないしな。」

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