【12使徒の存在～探し出せ、奴らより先に～】
先の会議から3時間が経過し、再び集まる仲間たちは、凱の作った資料を手にそれぞれの星の状況を再確認する。
第１惑星【シュバリエ】『石』盗難、拉致事件
騎士団長ロイとハルトムートの妹アレクシアが12支人。アレクシアはその高い能力故、早い段階でその能力を把握されており、計画的に拉致されたと考えられる。ロイの前の騎士団長の邸宅が、盗まれた『石』と拉致された人の適合実験、並びエネルギー搾取と記憶の吸い上げが行われていたが、その作業は第４惑星【ナータン】に移行されている。現在、拉致数は増加の一途をたどっている。国王は協力的で、いつでも連絡可。
第２惑星【メルゼブルク】『魔導書盗難』、拉致事件
第一皇子クラウディスとアーロの姉ケイト、双子の姉ミディアが12支人。ミディアとリディアのガージリフトも拉致された。国王の余命もわずかな状況で、後継者である第一皇子失踪、第二皇子凱の死により、継承問題が発生し、内乱が起きるのも時間の問題。拉致は増加傾向。各家庭の魔導書盗難
第３惑星【ファータ】拉致事件
莉羽の乳母ヴァランティーヌが12支人。莉羽の婚約者であるエルフィー皇子が拉致される。
莉亞が莉羽の双子の妹だと判明する。国王の16年前の謎の行動を早急に解明する。高い異能力保持者の拉致が顕著に増加
第４惑星【ナータン】
すでに破壊神に占領され、『石』と拉致された人間の適合実験が行われている。莉羽の親友、佑依が拉致された人たちの行列に並んでいるのを発見する。荒廃した大地、汚染された空気の原因究明
第５惑星【アースフィア】拉致事件
莉羽、凱のホーム。破壊神の手がまだ及んでいないと思われる。今後拉致数の増加が予想される。
全星共通事項（一部ナータンを除く）
拉致数増加、大規模地割れ
「だいぶ、ざっくりだけど、現在の状況はこんな感じだ。それと、先ほども話に出ていたが、アースフィアは奴らにとってまだ未開の地であることから、今後12支人捜索がアースフィアが中心になってくることが予想される。だから破壊神の完全復活を阻止するために俺たちも、奴らが12支人を探し出す前に何とかして見つけ出したい。それと並行して…。」凱が話の途中で莉月と響夜をチラッと見て何かを確認する。
「何？どうしたの？」みんなが不思議そうにその様子を見ていると、2人が頷き、それと同時に凱が再び話し始める。
「ここからは、こちら側の話…。」みんな何事かと凱の話にさらに集中する。
「何？」
「破壊神が集めようとしている12支人の他に、神遣士にも10人の使人と2人の神士教がいたって話をしたけれど…。彼らの存在自体、俺たちは把握していない。実際存在しているのか、もし存在するなら、その正体も、今どこにいるのかも、何もかも分かっていない…。もし彼らが俺たちが探し出す前に、奴らの手に落ちて洗脳され、敵に回ってしまった場合、俺たちはかなり厳しい戦いを強いられることになるだろう…。」凱の言葉に両親が頷き、私たちの中に緊張が走る。
「何としてでも、早く探したい。破壊神の12支人と神遣士側の12人…。仲間にできれば心強い…。」
