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【破壊神ラーニーの野望~シュバリエ~】

 まずは、シュバリエにおける『石』盗難事件について…だ。皆、察しはついているかもしれないが、さっきの凱の話にもあったように、破壊神ラーニーは、12個の『石』に自分の力を封じ込め、それぞれの星に分散させた。今現在それを全て集め、その適合者である12支人を探そうとしており、その12支人が集まると、ラーニーは完全なる復活を遂げる。


 特にシュバリエには特殊な『石』が多く存在していて、奴はその石をその石の適合者に持たせ、洗脳することで自分のしもべにする力を持っているため、それを果たすためにシュバリエではメインとして『石』の盗難と人間の拉致を行っている。そして、魔の山と呼ばれる地域には魔物を恐れる人々が絶対に近寄らない事から、元騎士団長の邸宅がその適合実験の本拠地となっていたというわけだ。


 それが進むにつれて、拉致の人数も増大し、そのキャパでは実験に支障が出始め…、この星域の惑星の1つである、前人類の愚行により崩壊した廃星『ナータン』を新しい本拠地として移行し始めたのが、つい最近の事だ。

 ナータンを莉奈をはじめとする覚醒した6人の支人の力で再び人類が生息できるよう作り変え、ラーニーはそこに全ての施設、『石』、人間を転送させ、実験を開始したんだ。私が莉羽と莉亞、莉月に見せたあの星がナータンだよ。


 そして、ここからがなぜ全惑星の人々を拉致するのかについての話だ。各星の人々を拉致することにより行われていること…。


 それは、人間の『生命エネルギー』と『希望のエネルギー』の抽出だ。


 前にもさわりだけ話したと思うが、人間の生命力、そのエネルギーはどんなエネルギーにも負けない力を持っている。今ここで言うエネルギーとは、科学的な数字で表されるものではなく…、別次元の…精神世界の話になるから勘違いはしないでほしいと前提で話しておくが…。

 うーん例えば、呼吸1つ取ってみてもそうだ。生きるため、呼吸するのにエネルギーを使っている。物を食べる、記憶する、歩く、寝る。全てにおいてまず人間は、エネルギーを作り出し、それを消費している。そして、ここに人間が何かを創造しようとする『希望のエネルギー』が加われば、その力は絶大になる。

 例えば…、新しい事にチャレンジするとか、夢を実現するために努力するとか…。そういった希望に満ちたエネルギーは生命エネルギーよりも桁違いの大きさを持っているため、意欲に満ちた人間から拉致を始めるとの命令が下されているほどだった。

 そして拉致した人間から得たそれらのエネルギーを彼の理想とする世界構築のエネルギーとして利用しようとしているんだ。1人1人の人間から奪ったエネルギーも、集めればとてつもないエネルギーになる。まあ、死ぬぎりぎり手前までエネルギーを抽出しているから、1人の人間から得られるエネルギーもかなり大きいものではあるけれど…。」


「じゃあ、そのエネルギーは今、ナータンに蓄えられてるってことなの?」私はナータンで見かけた親友の佑依のことを思い出す。


「おそらく…。そのエネルギーがその後、具体的にどう使われるかということまでは知らされなかったけれど…。」


「じゃあ、戻ってきた人の記憶が無くなっているのはどういうこと?」莉亞が聞く。


「それは、前回の回生以前の記憶を持つ能力者を探そうとしているんだ。今、この時点で回生以前の記憶を持っている者のほとんどが、何かしらの能力を持っていて、その力が新世界を作るときに必要だと莉奈は言っていた。だが、その能力者たちがどうやってその能力を使うかまでは分からなかった。」


皆、ここまで聞いてため息をつく。


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