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【莉奈~洗脳の果てに~】

「莉奈…、だと思う。」父と母を気遣うように凱は話す。そんな凱に、


「えっ?今までの様子からして、絶対に莉奈は12支人だと思ったのに…。なぜ凱はそう思うの?確信がありそうに聞こえるけど…。」母は凱の配慮に気付いていたものの、ストレートに聞く。


「なんていうか…莉奈だけ別格だったんです。皆、莉奈に従っているように見えて…。」凱がそう言うと響夜が、


「莉奈は、直接破壊神と交信できる唯一の存在なんだよ…。他の者は莉奈を通して破壊神の命令を遂行しているんだ。でも、先の戦いで、破壊神はその肉体を現したから、完全復活はまだにしても、その日は近いという事は理解できるな…。


 それにしても…莉奈は特別な扱いを受けていて、私もその様子を疑問に思ったが、なぜそうなのかは分からなかった。」そう言って首をかしげている。


「でも、莉奈の事は響夜さんが洗脳したんでしょ?」母はこれまたストレートに突っ込んで聞く。


「あっ、ああ…。最初は私だけの洗脳だったんだが、途中から直接、破壊神が莉奈を洗脳するようになったんだと思う。自分の娘を洗脳しておきながら、詳しい事はほんとに分からないんだ。役に立てず、すまん。」父は申し訳なさそうに下を向く。


「莉奈の能力に何かがあるってことかしら?だから特別扱い?でも、私は莉奈から特別な力は感じなかったけど…。」母も遠い記憶を思い返すが、何も心当たりがないようだ。


「破壊神には必要な何かが莉奈にはあるんだね…。」


私もいろいろ考えてはみるが、莉奈の言葉の1つ1つを取ってみても、私に対する嫉妬や憎しみ以外、何1つ特別な何かは思い浮かばない。


「莉奈の事はおそらく追々わかるんじゃないかと思う…。


 ところで…、響夜さん。響夜さんが知っていることを教えてください。石、魔導書の盗難、拉致…、破壊神の目的とか…。」凱が知りたくても知り得なかった本題を尋ねる。


「ああ、そうだね…。」そう言うと前に立ち、世界を救わんと未知なる敵に戦いを挑もうとする勇者1人1人の顔を見ながら、


「まず、このアースフィアの前国王という立場ながら洗脳され、君たちを死に至らしめようとしたことを心から詫びたいと思う。先の戦いで洗脳されていた私は…、瀕死の莉奈を天空界に連れ戻したあと、すぐに回復術を掛けられ復活した。しかし、なぜか分からないが、その後破壊神からさらに強い洗脳をかけられた莉奈に殺されかけ、何とか逃げたところを前神遣士であり、現世においては妻である莉月に助けられ、洗脳を解かれここに至る。情けない話だが…、長年あちらの洗脳を受けていた私だからこそ知り得たことを今から話すので、疑問や質問はなんでも言ってほしい。」父は仲間の顔を見渡し確認し、続ける。


「じゃあ、これから起こると推測される、私が知る、全てのことを話したいと思う…。」

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