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【メルゼブルク大戦㉚~姉妹戦再び~】

「その剣で凱を…。許せない。莉奈。あなたも凱の事、愛してるんでしょ?それなのに…、凱の体を2度も突き刺した剣を…、握ることが出来るなんてどうかしてる…。あり得ない…。」


私のその言葉に一瞬怯んだように見えた莉奈だったが、


「この剣はラーニー様から頂いた大切な剣。そんな理由で手放すことなどできない。」


その言葉に、私は体中の血液が逆流するような感覚に襲われる。


「そんな理由って…。あなた、自分が何を言ってるか分かってる?人の感情ってそんなものじゃないでしょう?いくらそのラーニー?からもらったものであっても、それが万が一でも自分の大切な、愛する人を傷つけたとしたなら、持っていることさえ苦しいはずよ。ましてや、あなたは凱の命を…。人としての心も、そのラーニーとかいう愚者に奪われたの?」


激高する私の言葉に、静かに怒りを爆発させる莉奈。


「ラーニー様の事を侮辱しないで!何も知らないというのに大口叩いて…。その時点であなたは大罪人だわ。死んで償いなさい。」


莉奈はそれまで構えていた剣を、逆の手に持ち替え、術を唱え始める。


 以前の私の力では、今莉奈から繰り出されようとしている術がどういう類の術なのか見当も付かなかっただろう。しかし、凱の力の一部を引き継ぎ、覚醒を見た今の私には、その術が放たれた後に何が起こるのか、容易に想像することができた。


「そんなの効かない。」


私は一言呟くと、すぐさま莉奈の術を消滅させる術を発動させる。


「ふ~ん。それが凱の力ね…。まあ、でもそれを、凱本人が使っているわけではないもの。限界はあるわよね…。」


そう言ってほくそ笑むと、莉奈はすぐさま剣を握りしめ切りかかってくる。しかし、私は剣の動きを事前に予測できたため、莉奈の剣は宙を切る。


だがしかし、私の体を切り裂くには至らなかったその剣の衝撃はすさまじく、背後30mに渡って地面に亀裂をもたらした。それを振り返って確認した私は、改めて莉奈の能力に少なからず焦りを覚える。


「運よくかわしたようだけど、次はそうはいかない。」


莉奈は態勢を変え、再び攻撃態勢に入りそのまま私に向かって突き進んでくる。その攻撃に私は魔法による防護壁を作り、莉奈の攻撃を再びかわす。しかしそれを事前に読み切っていた莉奈は、防御魔法が切れると同時に攻撃を仕掛け、私はそれにより腕を切りつけられ、その場にしゃがみ込む。


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