表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/494

【第10夜⑬ ~驚くべき仕掛け発動~】

『コンラード!聞こえてるよ。』


『了解!じゃあ、莉羽!今から塔の中にいる兵士たちに、どこでもいいから掴まるように指示して。あと、莉亞は塔の中のイメージを、敵がどのあたりにいるか、君たちがどこにいるかをイメージ化して俺に送ってほしい』コンラードの声が興奮でいつもより上ずっている。


『コンラード!仕掛けの準備が出来たのね。オッケー分かった、任せて!』そう言うと、私は全ての兵士の心層に、その場に留まり、手すりに摑まるよう指示を出す。


莉亞は塔の内部の状況をコンラードに送り、父に語りかける。


『お父さん、今送ったけど分かる?』


『ああ、ありがとう、大丈夫だよ。じゃあ今から、仕掛けを発動させるから…、びっくりするなよ!』


その言葉のテンションに、コンラードがこの仕掛けの発動をどれだけ楽しみにしているのかが伝わる。


『何が起こるの?』


『まじ、楽しみ!』今か今かと待つ私たちは、すでに仕掛けが発動されていることに気付かなかった。


『さあ、攻撃だ!下に降りて行って、莉羽、莉亞!私も今から向かう。』コンラードの言っている言葉の意味が分からない私たち。


『何言ってるの?コンラード!敵は私たちより上層にいるのよ!』私が興奮して言うと衛兵の1人が戸惑った様子で、


「報告します!私たちは今現在、反逆者たちより上層階にいるようです!」興奮を抑えきれず声を上げて話す。


「なんですって!どういうこと?」私は塔の窓から下を見る。すると明らかにさっきとは高さが違う。私が混乱していると、


「敵のいる上層部と俺たちのいる中層部を入れ替えたんだ。そして俺たちは上から、下層部にいる仲間が下から敵を挟み撃ちにするという…。」


莉亞の力によって瞬間移動してきたコンラードが意気揚々と話す。


「コンラード!そんなことが出来るなんて!」私たちは階段を駆け下りながら驚きを隠せず、上から駆け下りてくるコンラードの方を見上げる。


「ははは、みんなのその顔が見れて、俺のテンションもかなり上がってるぜ~。行くぜ~!行くぜ~!敵を一網打尽だ!」


コンラードのテンション高いその言葉に、全員の士気がさらに上がり、


「おお~!!!」仲間たちが塔中に響き渡る。


 階段をさらに駆け下りていくと、目の前にいつでも戦闘OKと言わんばかりの戦闘服を身に纏い、不敵な笑みをたたえるヴァランティーヌの姿があった。


「ヴァランティーヌ!」私は思わず声を上げる。


 彼女は一瞬私の顔を見るが、下からの仲間の攻撃に気づき、窓から外を確認して退路を探しているようだ。


上空の黒雲はさらに巨大なものとなり、その中から一筋の光が差してくるのが見える。


「まさか、あの光の中に逃げようとしてる?」


 私はそれを阻止しようと、反逆者全員を光の呪縛で拘束しようと、神術をかけ始める。しかしそれに気づいたヴァランティーヌは、さっき奪ったばかりの莉亞の「石」を前に出し、私の術から放出されたエネルギーを、全てその石に取り込もうとしている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ