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【第10夜⑪ ~仕掛け~】

 莉亞は目を瞑って、見えたイメージを私の心層に転送する。


『ほんとだ…。塔に上ってくのは良いけど…、その先退路もないのにどうするつもりなんだろう…。』


『ねえ、その上空に黒雲が見える。この前の襲撃みたいに、あそこから逃げるんじゃない?』


莉亞が不安そうに言う。


『確かに…。急ぐぞ!』突然入ってきた男性の声。


『えっ?コンラード?もしかして?って、思ったけど…、私たちの心層のやり取りが分かるの?』私は驚く。


『ああ、でもその話はあとで…。塔にさっき言った仕掛け?小細工してあって、それを発動させたいから俺は別行動をとる。2人は瞬間移動できると思うけど、その間絶対に使わないでくれ。絶対に…。じゃ、2人とも気をつけろ!』そう言い残すとコンラードは右に逸れ、別の塔に向かっていく。


『コンラードは空間系の能力者なの?』私が驚いて莉亞に話しかけると、


『そうみたいだね。実はお父さんの能力って、正直あんまりわかってないんだ…。


 でも…、お父さんの言っていた塔の仕掛けって、何だろうね。今ちょうど、瞬間移動しよう!って、言おうと思ってたんだけど、このまま自力で上がれってことだよね?』


『うん。自力は拷問だわ…。仕掛けね…、気になるよね…。でも、とりあえず急ごう!全力で走るよ!』


『走ってるよ~。全力疾走…。いつぶりだろう…。』心層でも莉亞の息が上がっているのが分かる。


『最近トレーニングしてなかったから、きつい~。』私も息を切らしながら合流地点まで必死に走り続ける。


※※※


 塔まであとわずかという所で、私の行動の1つが功を奏すことになる。


王宮内にいる全ての兵士に向けられた、血が沸き立つような強い波動。突如起こった出来事に、皆立っていることが出来ずその場にしゃがみ込む。


「なんだ?何が起こったんだ?」

「恐ろしいほどの力を体内に感じたぞ。」

「何が起こるというのだ?」兵士の口から次々に驚きと恐怖の声が上がる。


「よし!間に合った!」私が満面の笑みで言うと、


「何が?今の莉羽がやったの?」


 塔の真下に来たところで莉亞と合流する。お互い全力で走ってきたせいで呼吸が乱れる中、合流した私たちはハイタッチする。


「今に分かるよ!」私がそう言うと、言葉通り全てが明らかになる。


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