【第9夜⑱ ~いざ、謎の解明へ~】
翌朝、私たちを送り出そうする村人達をかき分けて、若者2人と、私より少し年上に見える女性が1人、馬に乗って現れる。
すると、師団長エドヴァルドと副師団長ジルヴェスターが前に出て、
「この者たちの同行もお許しください。姫。」1人は優に2mは超える身長、筋肉の塊のような風貌の大男で、立っているだけで臨戦態勢に見えるほど殺気立っている。もう1人は、その大男とは対照的に、ある程度は鍛えられてはいるが、細身の落ち着いた雰囲気に見える男。その後ろに付く女性は、全身をマントで纏ってはいるが、時折見える太ももの筋肉の付き具合、引き締まった感じから推測すると、かなり「戦える」力を持つのだろう。私はエドヴァルドに、
「昨夜、共にお話を聞いてくださった方たちですね。師団長が認めた方たちでしたら…、反対する理由が見つかりません。是非お願いしたいと思います。」私の言葉に莉亞も頷く。
その日、時計塔に集まった精鋭たちは、総勢30名ほど。その中には、昨晩深夜遅くまで大量のお酒を浴びるように飲み、上着を振り回していた若者も含まれており、そのタフさに驚かされる私と莉亞だった。
「今、ここに集まったのは、昨夜、共に戦うと手を上げた内のほんのわずかな者たちじゃ。その他、大多数は出征への準備を完了させた後、王宮に向けて出発する予定ですので安心くだされ。
ここにいる者たちは皆、姫様と莉亞様のために力を尽くす覚悟で来ておりますゆえ、心強いかと…。姫様と莉亞様がこの星の希望の光であり続けることを…ただただ祈っております。」村長はそう言うと、私と莉亞の手に、この村に古くから伝わるお守りを持たせてくれた。
私たちは村長にお礼を告げると、王兵団団長の家のあるアランドルに向け、30人の仲間を引きつれ馬を走らせた。




