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【第9夜⑫ ~旅~】

「ええ、旅です…。」私は一度深呼吸して続ける。


「今から話すことは、おそらく皆さんにとって信じ難い事と思います。でも、私と莉亞の旅はすでに始まっています。もし、その目的に賛同していただけるとしたら、是非皆さんのお力を、私に…。」


 私はそう言うと、今分かっている全ての情報を、その場にいる村長、エドヴァルド、ジルヴェスター、そしてエドヴァルドが絶対的信頼を置いているという3人の剣士に向けて話す。


 私が話し終えたあと、それぞれが何か考え込んだような表情でいる。私は自分の話し方が皆の不信感を抱かせてしまったのではないかと、内心冷や冷やしていると、


「姫さま…。」しばらく黙っていたエドヴァルドがようやく口を開く。


「なんでしょう?」私はエドヴァルドの次の言葉が気になって仕方がない。


「あの日、突如、とてつもない轟音がこの村に響き渡り、村中がその音に震撼しました。私は何事かと急いで村の塔にのぼり、辺りを見回しましたが…、何の変化も見られませんでした。ただ、その轟音に警戒した多くの鳥たちが空を舞うだけ。


 私は団員に、村人の騒ぎを治めるよう指示を出しましたが、その後、村は何事もなかったかのような平穏を取り戻しました。しかし30分程経った頃、警備兵が数人、村の近くで大規模な地割れが起き、それを確認しに向かった何人かの兵がこの地割れに気づかず、割れ目に落ちたと報告に来たのです。この地方で、このように異様な地割れは過去に一度もありません。」エドヴァルドが言い切ると、その話を静かに聞いていた村長が目を閉じながら、


「いや、実はあったのじゃよ。過去に一度だけ…。」


衝撃の一言を放つ。その言葉に、皆が一斉に村長を見る。


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