【第9夜② ~双子パワーを見せつける!~】
【前回より】
「はい…。そこでこの状況下で戦うために、1つ提案をさせていただきたく思っております。民の能力把握の後に、王兵団の隊の再編成を行いたいのですが…、国王のお許しをいただけますか?」母が微笑みながら王に嘆願する。
「もちろんですとも。すぐさま招集をかけ、数日中に民の能力把握と隊の編成を進めましょう。しかし…、あの村の者は難しいか…。」王が引っ掛かる言い方をする。
「あの村とは?」母が尋ねる。
「数日前にこの国で巨大地割れが起き、ある村が大きな被害をうけたのですが…、そこは比較的能力の高い者たちの住む村で…。被害状況にもよりますが、その村の者の招集は難しいだろうと…。今、状況把握に兵と調査団を送っているのですが、報告を待っている状況です。」私たちは驚いて、
「こちらでも地割れが起きたのですね?高い能力を持つ者の村…、それはどこですか?私が直接この目で確かめてきます!」私はいてもたってもいられなくなって、席を立とうとする。
「莉羽、兵の再編成は私に任せて…。大丈夫よ。行ってらっしゃい。」母と私は目を合わせると、うんと頷く。
「行ってきます!」私はその場を後にして、そのまま出発の準備を始める。
『ここでも大規模な地割れがあったなんて…。もしお母さんの言う通り、あの地割れが人為的なものだったとしたら…、凱につながる何かを見つけ出せるかもしれない』
私がそう思いながら馬小屋の方へ走ってくと、後ろから、
「私も行く!」そう言って莉亞が後を追ってくる。
「莉亞!」
「一緒に行こう!莉羽!凱を探しに!巨大な地割れなんて…、アースフィアでも同じことが起きている事から考えても…、胡散臭いにもほどがあるじゃない?これは絶対に凱捜索の手がかりをつかめるはずだよ!行こう、莉羽!!!」
「ありがとう。心強い!」私たちは向かい合ってお互いの手を合わせ、がっちり腕を組む。
「双子パワー見せつけてやろうね!」
そう言って、颯爽と巨大地割れに見舞われたその村に馬を走らせる。




