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【第6夜⑧ ~あふれ出る家族の愛~】

【前回より】

「今度ファータだけじゃなくて、他の星の王宮でも確認しなくちゃね。何かしらの意味があることは間違いないと思うけど…。」

 母はそう言うと、私の耳を見て、


「ピアス。両方とも力が宿ったのね?」母は嬉しそうピアスを見ている。


「うん。お母さんの思いがここに込められてるから。」


「あら、それは私の思いはもちろんだけど、あなた自身の力が上がらないと、色は変わらないのよ。」と言って私の髪を撫でながら、


「強くなったわね、莉羽。心も体も…。

あなたに…、想像をはるかに超えた運命を告げてから、まだ間もないというのに…こんなにも…。」母の目に涙が浮かんでいく。


 毎日背伸びして頑張っている自分に、この母の言葉が想像以上に心に沁みて、私の目から大粒の涙がこぼれそうになる。


「私の娘で生まれてきたことによって、こんなにも辛い運命を背負うことになってしまって。あなたが私の過去の力を継承しているって分かった時、本当にいたたまれない気持ちで…。どんな困難が待っているか分かっていたからこそ…、このままあなたを殺めてしまった方がいいのかも…、とも考えたほど…。でもあなたはいつも笑顔で、親が言うのもなんだけど…、私の太陽みたいな存在で、あなたを失う事なんてできなかった。そんなことを一度でも考えたお母さんを許して…。」母が泣き崩れそうになるのを支えながら抱きしめる。


「私も自分が神遣士だって初めて聞いた時は…、抵抗あって、なんで私が?って、思う事ばっかだったけど…。だけど、お母さんと莉亞、そして凱がそばにいてくれるから頑張ろうって思えてる。

 それにね、子供は…、この人の子供として生まれたい!って、自分で親を選んで生まれてくるって聞いたことがある。だとすると、私が自分自身で選択して、お母さんの娘として生まれてきたんだよ。だから、私が自分でこの人生を選んだと思ってる。そこまでお母さんが心配してくれていたなんて…ありがとう。」そう言って、さらに母を強く抱きしめる。


 このやり取りを見ていた莉亞は、私たち2人をそっと抱きしめて、


「お母さん、莉羽。私はここでみんなと共に生活してきて無いけど…、お母さんの娘、莉羽の妹に生まれてこれて、心から良かったなと思ってる。ありがとう。

 なんて伝えていいか分からないけれど…、こんな温かい家族がいるってだけで…本当に心がほんわかして…、私、こんな気持ち初めて感じたんだ…。ほんとにありがとう。」


莉亞の目にも、いつの間にか涙が溢れていた。


私は涙を拭いながら、


「ありがとうが溢れてるね。」ちょっと照れ笑いをしながら言うと、2人は泣きながら微笑んでいる。


私たち3人は、しばらくの間、戦いも何もかも忘れ、家族の温かさと安心感に揺るがない家族の絆を感じていた。

日々、戦いと背中合わせの毎日を過ごす私たちにとって、この時間はこの上なく貴重な時間となった。





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