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【第5夜⑮ ~全世界のヒーロー~】

 翌朝、聖なる泉で得た力を確認するため、私たちは実戦形式で訓練を行う。そこでの成果をそれぞれが把握し、次なる目標に役立てるのが目的だ。


 魔法のステージは6から最上級のSまでの全7段階あり、魔力を発動したときに体から放たれるオーラの色でその階級を確認することができる。


 ここに至るまでのアーロのステージはオレンジの5。泉での祈りに加え、母と姉との対面がアーロの内なるステージを青の2まで引き上げた。リディアは5が緑の3に。莉亞は0からのスタートで、今回能力爆上げのステージ2へ。私と凱はそれまでの3から、上から2番目の紫の1になった。


「莉羽と凱はすごいな。僕ももっと上げたい。」アーロは私たちを見ながら、


「戦えばもっと上がるもの?」と聞いてくる。凱はしゃがんでアーロの目線で、


「アーロ。強くなりたい気持ちはわかる。でも無益な戦いは、しちゃだめだ。特に俺たちがいない戦いは危険すぎる。母さんやリディアを護るため以外に、自分から戦いに出るようなことは絶対にやめるんだぞ。俺たちはこの後アースフィアに戻る。大きな戦いが間近に迫っているから準備をしておいてくれ。」優しくそう言うと、アーロの頭に手を置き微笑む。


その微笑みにアーロはなんだか恥ずかしくなって、少し顔を赤らめながら、


「えっと、アースフィアは…、莉羽と凱のホームか…。うん。分かった。」


全てを聞かされたアーロがそう言うと、凱は立ち上がってアーロの背中を優しくたたき、


「頼んだぞ。ここでのヒーローはお前だからな!」と言葉を送る。するとアーロはキラキラした目で、


「僕、そのうちここだけじゃなくて…、全世界のヒーローになるから…、ちゃんと見ててね!」そう言って凱と固い握手をする。


その姿に、母マーガレットは号泣、私たちもこの上ない喜びの笑顔でアーロを抱きしめる。


「みんなが戻ってくるまで僕がここを守る!」


恐怖も不安も迷いもないその頼もしい言葉に、それぞれが涙したことは言うまでもない。



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