表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/495

【第5夜① ~聖なる泉へ・祈りの力~】

 その夜、狙い通りメルゼブルクに飛んだ私たち。


 クラウディスと国王により、魔導書盗難事件の犯人に仕立てられた凱とクラウディスの婚約者でありながら凱に加担した罪で指名手配されている私、そして夢の中にも入れるようになった莉亞は、ここで聖なる泉を目指す。


 莉亞はメルゼブルクがお初なので、大まかな説明をする私たち。


「ここは、民がほぼ全員と言っても良い位、魔法を使える国『メルゼブルク』よ。莉亞にはここで回復魔法を使えるようになってもらえれば…と思ってるからよろしくね。」


「私に魔法を使える能力なんてあるのかな…?」不安そうな莉亞。


「私の妹だから、きっと使えるってお母さんが言ってたし、私もそう思うから不安を感じなくて大丈夫。もしもの時は私たちがいるじゃない?」にこっと笑いかける。何とか笑顔を取り戻した莉亞に、


「今は大まかな説明しか出来ないが、泉に向かいながら詳しいことは説明しようと思う。だからその時魔法の実践も…だな。おそらく道中、戦いは免れないだろうから、その覚悟だけはしておいてほしい。」凱は準備をしながら話す。


「でも私…。戦えない…。」莉亞はやっぱり不安を拭えない。


「大丈夫。莉亞に何かしてもらおうなんて思ってない。何かあったら、俺と莉羽がサポートするから心配するな。基本祈ればいい。」


「祈るって?」


「こうなってほしいって願うと、その思いが強ければ強いほどパワーを得られる。莉亞は私の妹だもの。大丈夫!」


「分かったような、分からないような…。だけどやってみる!」


「うん!」


「さっきから、お前、「私の妹」その一点張りだな。」凱は私の顔を見ながら笑っている。


「だってそう思うから…。もういいじゃない!からかうの禁止!」私は凱の方を見て頬を膨らませる。


その私たちのやり取りが、莉亞の心を和ませていたのは言うまでもない。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ