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【第4夜② ~ルイーゼの生い立ち②~】

 私は一階に降りて、暫く神棚に手を合わせていなかった事に気付き、凱と共に、神棚に今まで起きた様々な事を報告し、今後とも良い導きをいただけるようお願いする。私が「神遣士」という存在であることを知らされてから、ちゃんと手を合わせていなかったので、気持ちも新たにお祈りをしたが、今日も神の声を聞くことは出来なかった。


「2人とも起きたのね?今回はファータに行ったの?」と言って、お祈りを終えた私たちに声をかける母がルイーゼの姿に気づく。


 初めは不思議そうな顔をしていた母だったが、少し経つと持っていた花瓶を落とす。明らかに様子がおかしい。


「どうしたの?お母さん。」私は割れた花瓶の破片を拾いながら言う。母は焦りながら、


「ごめんさい…。なんでもない。」なんでもなさそうな母の反応が気がかりな私は、


「ほんとにどうしたの?」と聞き直す。すると、


「ううん、心配しないで。大丈夫だから…。ところで、2人の力を借りてもいい?すぐにでも結界を強化したいの。」


「えっ?なんで?」突然のことに聞き返す私。


「何かあるんですね?莉月さん。」凱の問いに母は黙って頷く。私は不信に思いながらも、


「了解したよ。」と答え、明らかに状況が飲み込めていないルイーゼに、


「ルイーゼ、訳が分からないと思うけどやってみようか?ただこの場所の幸せを願って、手を合わせて祈ってみて。」


「えっ?結界?」と戸惑いつつもルイーゼは頷く。


 母の合図で4人の祈りが始まる。今までは母の力にのみ頼っていた結界だが、4人の力が集まるとより強力なものになる。


「昨夜から、私の張った結界が以前のものと何か違っていて…、今までに感じたことのないものだから不安で花瓶を割ちゃったわ。みんなの力が上がってるから以前のものより強い結界が張れて良かった…。」結界を張り終えてから母が少し安心したように話す。


「そんなに違ったんですか?」凱が聞く。


「ええ、。今までに感じたことないような…、でも懐かしい感じもして…。なんだか結局分からないけれど。」そう言うと母は、ルイーゼの方を見て、


「それはそうと…。このお嬢さんは…?さっき一緒に祈ってくれたけど…、お洋服の感じからするとファータのお嬢さんね?」母は、突然現れて、しかも結界の補助まで行ったルイーゼをじっと見つめる。


「この子はルイーゼ。エルフィー皇子の侍女で…。」そこまで言って、私は疑問に思い、


「あれ?お母さんはファータでの事、共有してないの?他の星の事は共有してるよね?」と聞くと、


「今までの事は全部共有してるわ。でも、このお嬢さんについては全く…。」


「えっ?そうなんですか?そんなこともあるんですね?」凱も母にも知らないことがあるんだと驚いている。


「ルイーゼさん、おいくつ?」


「先日16になりました。」


「そう…、力にはいつ目覚めたの?」


「こちらに来る直前です。」


「…。」母の様子に何かを隠していると直感が働いた私は、


「やっぱり何か隠してるでしょ?」と今度は強い口調で聞く。すると母は、衝撃の言葉を発した。


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