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【第2夜③ ~ずっと一緒にいたい~】

「ところで莉羽。さっきの話だけど…、ファータに行くの、試してみるか?」


「あっ、うん。やりたい。どんな戦いにも対応できる力を手に入れたいから。」


「そうだな。この状況なら焦らずにレベル上げが出来る。」


いかなる時も冷静沈着な凱だが、本格的な戦いの前に、どうにか力を付けて行かねばという焦りの色が垣間見える。私は少し考えてから、


「そういえば…。私が夢の中にいる間って凱はどうしてるの?」


「俺も同時に行けるときは行ってる。でもどうしてもいけない時は、莉羽の心層で情報を共有したり、実際心層から入ったりしてる。だから、ほぼお前と一緒にいる感じだ。」


私は自分の理解を超える話で、完全に理解するのは難しいと判断し、


「ん~。そうなんだ!まあ…、一緒ならなんでもいいや。」と笑ってすます。それを聞いた凱は、


「お前なあ~。」と言いながら、凱も笑顔になる。


私は凱の笑顔をまじまじと見て、


『やっぱりこの時間がたまらなく好き。凱とのこういう何気ないやり取りが…。 心から凱の事が好き。離れたくない。』


改めて自分の気持ちに嘘はつけないと実感するが、同時にこの言葉が思い出される。


『神遣士は特定の個人に特別な感情を持ってはいけない』


凱への気持ちを自覚する度に付いて回るこの言葉。私がそんな風に思っているなんてつゆ知らず、凱はどの魔法を使うか考えているようだ。その真剣な眼差しに、思わず言葉が漏れる。


「ずっと一緒にいたいなぁ…。」凱が私のその言葉に焦ったようにこっちを見たことで、状況を理解した私は弁解するように、


「みんなとね…。仲間が沢山増えたでしょ?みんないい人ばっかりだからさぁ…。あははは…。」


私は心臓が今にも飛び出そうになりながら、何とか誤魔化そうと必死になる。そんな私を見た凱は、ちょっと気恥ずかしそうに、


「ああ。わかった。うん、いろんなことが分かったよ。ありがと、はい、はい。」そう言って笑う。


私が顔を見れずに下を向いていると、凱は私の頭に手を置いて、


「さっ、じゃ始めよう!」


そう言ってファータに移動する魔法を唱え始め、私も同じ呪文を唱えはじめる。

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