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【第1夜⑩ ~強烈だけど半端ない精霊たち~】

 初めての神術による戦いを終え、凱が私に近づき私の頭に手を置いて、


「神術の実戦、どうだった?」


「想像以上だったし…、精霊が…。」私はまだ動揺している。


「ああ、精霊の事、ファータの先生は何も言わなかったんだな…。」


「うん…。多分、まだ私の力がそこまで達していなかったからかな…。」


「そっか…。じゃあ、驚くはずだな。」凱は少し笑って続ける。


「さっきも言ったけど、精霊によってはとんでもないキャラクターの奴もいるから、これから楽しみながら戦えるな。精霊の力は半端ない。精霊自身が出てきてくれるようになれば、ほぼ自分の思った通りに戦える。」


「そうなんだ…。」私はふと、さっき出てきてくれた短髪の精霊に目をやる。


「あなたは、砂の精霊?」私が尋ねると、


「やっと会えました…。」

 

 ボソッと呟くその精霊は、細身で長身の20代前半程の男性で、黒髪ベースにシルバーのメッシュを所々に入れ、後ろは綺麗に刈り上げ、前髪は眉毛のあたりできっかり切りそろえている、かなり髪型にはうるさそうなイメージで、切れ長のすっとした右目の下のほくろがなんともセクシーさを醸し出している。


「やっと?ってことは…、待っていてくれたんですね?」私が尋ねると、


「ええ、あなたに会いたくて、会いたくて…、早く呼んでくれないかと…。」見た目のクールさとはかけ離れた、かなりシャイな性格なようだが言葉はストレートで…でも少し、もじもじしている。そんな彼に、凱が呼び出したツインテールの雨の精霊の女の子が、


「イーサン、あんたキモイわよ!莉羽の事、好きすぎて、ずっと待ってたのは知ってるけど、それじゃ、気持ち悪いって、もう呼んでもらえないわよ!ねえ、莉羽!」突然振られた私は焦って、


「えっ?」と戸惑っていると、


「おいおい、メル。イーサンにそういう言い方するなよ。もう少し優しい言い方あるだろ?」凱は精霊の女の子を諫める。


「だって、イーサン嫌われたら、もう莉羽に呼んでもらえないかもしれないじゃない!それなら今言ってあげた方が親切でしょ?」メルは折れない。凱はメルの頭に手を乗せ、


「分かったよ、メル。言っておくが莉羽はそんなことで嫌ったりするような人じゃない。だから心配するな…。お前の優しさは分かってるよ。また呼ぶから、その時はよろしくな。」凱の言葉にメルは嬉しそうに、


「もう~、凱ったら、私の扱いに慣れ過ぎてて…、ほんと好き!大好き!また呼んでね!」そう言うと満面笑みで、


「イーサン、莉羽に何か言うことないの?」イーサンに尋ねる。恥ずかしそうに、うつむきながらもチラチラ私を見ているイーサンは、意を決したように、


「莉羽。また呼んで。僕強いから…、絶対力になる。」そう言って、はにかみながら一生懸命話す。その姿に心打たれてしまった私は、


「ありがとう、イーサン。また呼ぶから…、待っててね。」そう言うと、メルはイーサンの手を引いて消えていく。


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