エピローグ
「アイツらは今、どうしているのかしらね」
「どこか遠い国で、きっと幸せになっていると思うよ」
「幸せか、それもそうね。・・・それも、そうね」
「えへへ、嬉しいけれど少し悔しいや。私さ、今でもあの人に恋をしているんだ。・・・でも、そんなことより近くにデザート屋さんが出来たんだ、見に行かない?」
「いいわよ。楽しみだわ」
「あの奴、あれからどうなったんだろうな」
「お貴族様に殺されてねえといいけど」
「・・・まあ、生きてたらどうせそこら辺でまた会うだろ。そんな気がするな」
「悲しみ深いときも喜びに満ちた時も共に過ごし、愛を持って互いに支え合うことを誓うかい?」
「ずっと共に過ごすのは無理じゃないか?二手で行動することもあるだろうし」
「これは精神の話さ。要するに私たちの心がいつだって一つであるか聞いているのさ」
「それならイエスだ」
「ふふっ、私も誓うかな」
『善因善果、か』
『敵である俺があの人たちを祝うというのも変な話だが、まあよかった』
『あはは、お兄ちゃんはあの人たちの敵なんかじゃないよ』
『そうか?』
『うん。・・・だってこんなにも、心が一つなんだから』
『やれやれ、結局約定は果たされませんでしたね』
『まあいいでしょう、彼の生きる目的は見つかったのですから』
『計画、そんなものは元からなかった。少女たちの名前もでたらめ。ただ私は、貴方に前を向いて欲しかったのですよ』
『お姉ちゃん、幸せそうだな』
『ごめんね、嫉妬してて。本当は大好きだったよ』
人の物語は決して、終わることはない。
生きている限り試練と幸福とどちらでもない時間が次から次へとやってきて、死してもなお生ある者の在り方に影響を与え続ける。
なら人にできることは、今も昔も結局ひとつしかない。
前を向いて、歩き続ける。
たまに立ち止まって、後ろを向いてもいいから生きる。
『ほら、守れたでしょう?』
『貴方は人を愛せる、そんな『人間』なのですから』
―――剣の王と預言の少女、完
これにて『剣の王と預言の少女』は完結です。ここまで読んでくださったあなたには、感謝の言葉もございません。
『星龍』も『師匠』も『預言』も何もかも出てこず、無数の謎を残したまま打ち切りのような終わりとなりますが、この作品の『こうなったら終わり!』と決めておいた状況に思ったよりだいぶ早くなってしまったので筆を置くこととしました。
・・・ところで、この作品のテーマは『生きること』です。
生きることとは折り合いをつけること。『こうなったら終わり!』という状況が、なんであったのか考えてくれると嬉しいです。
ヒントは、この作品はツルギとアウィスが主人公だということです。それと最後のルキアとユリアらしき少女たちの会話も、迂遠だけど関わってくるかな、多分ね。




