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あの日から1年経った。
俺は今剣術のマスタークラスまで上げることに成功した。
今日は神殿に行き、マスタークラスになった証として、神に加護を貰う日だ。
俺は明日この公爵地を離れる。
兄様に会うことは出来なかった。
学園から一時帰還する際に伝えようと思っていたが、兄は家に帰ってこず学園で長期休みを過ごす事を決めたらしい。
お母様には俺が旅に出ることは伝えていない。
きっと悲しんでしまうから。
お父様もそのことは承知してくれたと思っていた。
「ロイ準備は出来たか?」
「はい、お父様」
「こちらにどうぞ」
「はい」
俺は部屋の真ん中に置かれていた、水晶に触れた。
その途端水晶は光だし、俺は真っ白な世界へと通された。
「ここは…」
「ここは神界じゃ。わしの名はフェーデル風の神じゃ。」
「風の神…フェーデル…」
「そうじゃ、そうじゃ。お主には風の加護を与えよう。風の力は永遠には続かぬのじゃ…毎日願うのじゃ己の信念をな」
己の信念…
「ほほほ、時間のようじゃ。達者でな若者よ」
その瞬間またあたりは光に包まれた。
神殿に戻ったんだろうな。
「ロイ、結果はどうだった?」
「風の加護…それが俺の力だよお父様!」
「風の加護か。いいものを手に入れたな。これで私も安全にお前を見送れる。元気でなロイ」
「あぁ、お父様。今までありがとうございます。これからマスターとして…いや1人の旅人して生き続けます」
「そうか…」
お父様は何かを言おうとした時…
「ロイ!」
「お母様!?」
「もうなんで私に何も言わないでどっかに行ってしまおうとするの?そういう所は本当にお父さんに似たのね」
「えっ?」
「昔この人ね…家を飛び出して旅に出たことがあるのよ」
「ちょっおまっ」
「その後ね。この人お義父様達に凄く怒られたことがあったの…だからあなたが旅に出るって言った時に、お父さんすぐに認めるって言ったのよ。でもね、旅は大変だってこの人が1番分かってるからね。」
そういう事だったのか。
お父様はそれ程深く考えてたのか…
「まぁ、こいつの話は気にするな。気楽に楽しめ」
「はい。お父様」
俺はその日公爵家を出て街の宿で1泊休んだ。
次の日俺はあの2人と合流した。
「準備は出来たか?」
「あぁもちろん」
「当たり前だろ?」
俺は出発した。目指す場所は東の公爵地シュルマン領だ。
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