初恋
これからも一緒に入れると思った。だから1人で生きることはもう諦めた。だけど、お前が1人で生きられると知った時は驚いたよ。お前にとっておれは人生の脇役でしかなかったんだね。
おれは1人で生きられないよ。家事もできないし近所の付き合いもうまくいかないと。それを知っていてお前はおれを1人にしてしまうんだ。
おれはヒロインじゃない。皆の目線に入る風景と一緒。知らないうちに結婚して、子供を産んで、病気になり、あの世に行く。
どんな夢を見ているのか。小説では僕は描かれないんだね。特に重要な役じゃないもんね。
せめておれの言葉がお前の未来の伏線となれば、おれはせめてもの償いの気持ちになるんじゃないかな。