初めての告白
突然だが僕、稲光 晴礼はモテたことはなかった。
もちろん女の子とつきあったことは無い。
そんな僕が今、初めて逆ナンされている。
どうして僕がそんな状況に陥っているのかというとその前に少し僕自身のことを説明しよう。
僕はこの15年間、一生懸命勉強した。
周りからはガリ勉と揶揄されもした。
それでも僕は勉強をした。
それはある高校に入るために。
その学校はこの国で1番レベルの高い学校。
昔は女子高だったらしいがとうの昔に共学になっている。
その高校からいろんな政治家や偉人が輩出されている。
もちろん、教師陣もかなり凄い。
僕ははっきりいって勉強以外取り柄が無い。
ならばその勉強の最高峰へ行き勉強がしたい。
そう思いさらに勉強をした。
そして、念願の高校に入学が出来たのだ。
その高校は様々な種族の方が存在する。
僕にとってはまるで外国に来たみたいな感じ。
神族、魔族、妖怪、天使属、人間など種類は多岐にわたる。
ここで僕はさらなる見聞を広めるんだと思い入学式に臨んだ。
事件は入学式が終わり、レクリエーションが終わり寮に帰ろうとした時だった。
ある女の子に声をかけられたのだ。
僕はそんなことが初めてだからかなりドキドキした。
でもその女の子が人気のないところに一緒に来て欲しいと言ったので僕はその子に付いてくることになった。
校舎裏だろうか本当に薄暗いところに付いた。
女の子は恥ずかしそうな素振りをして僕にこう伝えてきた。
「こんなことは初めてなので失礼があったらすいません。
あなたは知らないかも知れませんが私はずっとあなたを見てきました。
あなたがこの学校を受けることを風の噂で知りこの学校に受かるために必死に勉強してきました。
お願いです、私と恋人としてつきあってください!!」
僕は正直戸惑ってしまった。
見た目はタイプだし声も可愛い。
僕にとっては申し分の無い彼女だ。
でも僕は返事を留保した。
なぜなら彼女とは種族が違う。
彼女は陰で見守ってきたかも知れないが僕にとっては初見だ。
恋人としてつきあうのならそれなりに覚悟がいる。
適当に答える訳にはいかないのだ。
僕はそれから1週間、考えた。
そして彼女の気持ちに応えることにした。
結果は良好。
僕は彼女とつきあうことになった。
そういうことで次は彼女の紹介をしよう。
彼女の名前は立橋 映美。
僕とは違い食事をしない種族なのだそう。
昼休みは僕が昼食を食べていると不思議そうに眺めていた。
「食事をすることは楽しいの?
私にはその感覚が分からないから」
と不思議そうに彼女に問われ僕は答えに窮した。
そして彼女はとにかくおしゃべり好き。
しかし、常識がずれている。
時々僕は彼女の言っていることが理解できないほどに。
この世界の常識を彼女に教えるのに僕は必死だ。
彼女は種族の性質上、瞬間移動が出来る。
初め、僕はそれを見て非常に驚いた。
でも彼女はそのことが理解できなかった。
「なんで驚くの?
これくらい誰でも出来ることなのに」
僕はそれが普通では無いことはとくとくと説いた。
そのことが普通で無いことにかなり驚いていた。
そして1番驚いたのは彼女は着替えるということを知らない。
彼女は服を着ないのだ。
といっても裸な訳では無い。
分かりやすく言うと体と服が一体化しているのだ。
気分によって一瞬で服のデザインが変わる。
そんな彼女の1番の問題は触ることが出来ないことだ。
といっても彼女は幽霊では無い。
ちゃんと生きている。
ただ生きているているのが空間が2次元なのだ。
立体映像なので3次元とも言えるのだが。
もう分かっていると思うのだが彼女の種族は映像生命体なのだそうだ。
昔は光学生命体と言っていたそうだが。
そして担任の液野先生が言うには初めて映像生命体が恋愛感情を持ったケースなんだそうだ。
液野先生は感心していた。
そして液野先生は
「あなたたちはかなりのレアケース。
今後の研究材料にもってこいだわ。
だから逐一進展状況を報告してね。
あなたたちのことを応援しているから。
困った時は相談してね。
これでも100年以上は生きているんだから。
人生の先輩なんだから」
液野先生は見た目は僕たちと変わらない10代の姿をしています。
それで100年以上生きているというのだから驚きだ。
話を僕の彼女のことに戻そう。
僕が通うこの学校は全寮制だ。
授業が終わると僕は男子寮に戻る。
しかし、彼女は寮に住んでいない。
学校が寮と言うべきか。
彼女は部屋を必要としないのだ。
だから僕は彼女が寂しがらないように日が落ちるまで教室にいてあげる。
今は彼女と一緒にいることが幸せなのだ。
その時間が長ければ長い方が良い。
そして日が落ちると彼女は電脳空間に帰ってしまう。
彼女は光が無いと僕たちの世界にいられないのだそう。
そして日の出と共に彼女は僕たちの世界に現れる。
さすがに僕はそんなに早起きが出来ないのでしばらく彼女はひとりぼっちなのだが僕が登校してくると彼女は満面の笑顔で迎えてくれる。
そんな僕らの日常とクラスメイトとの戯れをこれからもお話ししたいと思っています。