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2:偏見と共存するまで其ノ壱

目に見えない、見た目だけでは分からない病気で苦しんだ初期。といっても19歳イケイケロックンロールなパンク古着原宿ラブガールだった私。


病院の帰りはいつも叔母の家に泊まって、次の日叔母の家から通学していた。叔母の家が病院から近かった事と、ろくに飯を食わない私に栄養を与えてくれる現役看護師だったから。


でも、その日は楽しかった。嫌いだったのは、次の日の登校。電車で乗り換えして、立っていると足に紫斑が出てしまい関節内部で出血してくるから、激痛を抑え込むためにプレドニンを飲んでいたわけで。


しんどいから、たまたま優先席が空いたから座った。目の前には確か、おばさんがいたと思う。


「若いのに優先席に座って恥ずかしくないの?髪の色も派手だしマトモな親に育てられてないのね」


あの時のあの顔も目も言葉も忘れない。



でも私、昔から気が強くて、言われっぱなしで終わらせない戦闘狂だったもんで。



バッグから薬が入った袋と説明書を取り出して、その人に向かって


「見た目元気そうって言われたんですよね?ありがとうございます、そう見せてますんで!!でも、これだけの薬を飲まないと死ぬ病気にかかってます。しんどいので優先席に座らせてもらってます。私より辛いなら席変わりますよ。ぶっ倒れたら救急車呼んでくださいね。」


なんて、喧嘩売ってしまったんだな。若いって怖い。


でも隣に座っていたおばあちゃんが


「若いのに私より沢山お薬飲んで、頑張って生きてるのね。負けないでね。」


って、黒飴くれた。それも忘れられない。負けないでねって言葉が、多分嬉しかったから。


優先席に座っていてイチャモンつけられたことは、山ほどある。

若いくせに。金髪のヤンキーが堂々と座ってるって有り得ない。マナーとか考えてないの?

いっぱい言われた。


優先席で、携帯いじってたオッサンから、若いくせにって言われた時は、オッサンのくせに携帯触んなって文字も読めないんかって言い返した。


この頃は、自己防衛の仕方を分かってなかったの。言われたら言い返す。やられたらやり返す。


ただで転んでなんかやらねえ。


……お察しかと思いますが、多分元ヤンキーの類に入るのだと思います。


見た目で判断される事を逆手に取ってたの。

私は、元気な姿を、見せていたかったの。

矛盾してるのはわかってるよ。


でもね。


そういう環境で18年生きてきたから、私が元気で笑っていて、突拍子もないことする娘だな!って、親に、そう思ってもらいたかったの。


離れて暮らしてたから余計、必要以上の心配はされたくなくてね。まあでも親との関係は後でしっかり書くのでちょっと割愛。



まあ、偏見経験そのいちが、優先席トラブルだったかな。


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