表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

「さて、コーヒーで目も覚めたわね」

「はい…もう永眠できると思います」

「よし」

「よくないよね。何一つ良くないよね。もう殺しちゃってるよね、それ」



と、俺たちは全員、冴子お手製の殺人コーヒーを平らげた。

棚田はただでさえ生気のない瞳をさらに鈍らせ、このふざけたシリアスな展開を前に、半ば諦めた様子だった。



「俺が死んだか死んでないか、とか、ここがどこか、とか、イマイチ信じられないし実感もないですけど、つまり俺はこれから、どうなるんですか?」



棚田はテーブルの一点を見つめたまま、右腕を椅子の後ろにかけ、背もたれに重心をかける。

何となく、俺はヤツの態度が気にくわない。

しかしそれは今は飲み込んだまま、

煙草を深く吸い込んだ。



「さぁ…どうだろうな。」



隣で冴子の高い笑い声がする。



「そんな事は、真実を見てから考えればいいのよ」



窓のないその取調室か何かのような白い部屋で、冴子は壁の向こうをじっと見つめた。

一体そこに誰がいるのか、腕を組み背筋を伸ばして、唇は少し笑っていた。

その瞳は棚田も、俺も見てはいないようだった。

ただただ、「真実」という言葉が嘘のように。



「それじゃあ、探しに行きましょうか。貴方の生きた、『真実』のために」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ