二百文字小説置場２

飼っている亀と雪

　この辺りでは珍しく雪が降った。

　飼っている喋る亀は初めて見る雪に少し興奮気味である。そして雪に触りたいと言うので、私は亀をカイロ入りのマフラーでぐるぐる巻きにして外に出た。

　亀は興味津々に首を伸ばして雪に触ってみる。冷たいのですぐに首を引っ込める。それでもその感触が新鮮なのか、また首を伸ばして雪を口にくわえてみたりしている。

　しばらくすると、やはり寒かったのか亀は寝てしまった。

　今年はこのまま冬眠である。