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夏恋3

 夏の終わりの筋雲を見上げながら、あたしはスーパーからの帰り道を歩いていた。


「終わったな、夏」


 ネギを差した買い物袋をぶら下げて、なんの出会いもなかった夏休みを振り返る。


「なにやってんだ?」


 そこに自転車で現れた幼馴染みの馬原。

 おつかい帰りと答えると、馬原は自転車の後ろを指差した。


「乗ってくか?」


 荷台に座ったあたしは馬原の背中に触れる。


「あのさ」


「ん?」


「……やっぱいい」


 走る自転車に夏の熱が残っている。

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