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もし僕が。
終電が近いので、僕はへべれけの先輩を駅まで連れていった。
「明日もう出発ですか?」
ホームのベンチで酔い醒ましの夜風に当たる先輩にそう訊くと、彼女はニヤリと笑った。
「寂しいんだ?」
先輩は明日、地元での就職のため帰郷する。
僕は訊き返した。
「……もし僕がここで先輩の手を握って電車に乗せなかったら、どうなりますか?」
先輩が手を差し出す。
「やってみたら?」
最終電車がやってきた。
僕はまだ先輩の手を見つめている。
終電が近いので、僕はへべれけの先輩を駅まで連れていった。
「明日もう出発ですか?」
ホームのベンチで酔い醒ましの夜風に当たる先輩にそう訊くと、彼女はニヤリと笑った。
「寂しいんだ?」
先輩は明日、地元での就職のため帰郷する。
僕は訊き返した。
「……もし僕がここで先輩の手を握って電車に乗せなかったら、どうなりますか?」
先輩が手を差し出す。
「やってみたら?」
最終電車がやってきた。
僕はまだ先輩の手を見つめている。
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