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冬座敷
冬日の差し込む座敷にはイグサの香りが満ちている。
「お嬢様。そんなお姿、また旦那様に怒られますよ」
着物の乱れも気にせず座敷に寝転がるお嬢様は、顔だけを動かして私の顔を見上げた。
「あなたはお父様ではないでしょう。あなたはだぁれ?」
「しがない使用人でございます」
そう答えると、お嬢様は笑いながら私を手招いた。
「枕が欲しいわ。膝を」
膝を貸す。
「暖かいわね」
「はい」
そのまま眠るお嬢様の髪を、私はそっとなでた。
冬日の差し込む座敷にはイグサの香りが満ちている。
「お嬢様。そんなお姿、また旦那様に怒られますよ」
着物の乱れも気にせず座敷に寝転がるお嬢様は、顔だけを動かして私の顔を見上げた。
「あなたはお父様ではないでしょう。あなたはだぁれ?」
「しがない使用人でございます」
そう答えると、お嬢様は笑いながら私を手招いた。
「枕が欲しいわ。膝を」
膝を貸す。
「暖かいわね」
「はい」
そのまま眠るお嬢様の髪を、私はそっとなでた。