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そして少女は今日も学校をふける「友達とドーナツとメランコリー」
学校をふけて公園の芝生に転がるあたしは、ドーナツの穴のむこうに青い空をのぞいていた。
「梅ちゃん、なにやってんの」
さぼり友達の明美があたしを見下ろして呆れた声を出す。
「ぽっかりなのだ」
「はあ」
「あたしの心の穴を誰か埋めてくれないかしら」
あたしがメランコリーにそう言うと、明美はドーナツを取り上げて、パクリと食べてしまった。
「穴なくなったよ」
こいつやりおる。
手についた砂糖を舐める明美にあたしは降参した。




