表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/100

夜の底の二人

 夜の底に風が吹いた。

 ひどく暗い闇だ。ビルの隙間にあるこの場所には、街の灯りも届かない。この嫌に生あたたかい風だけが、この澱んだ暗闇の中で感じられる唯一の感覚だった。


「後悔してる?」


 僕の横で彼女が言う。


「ううん」


 僕が否定すると、彼女は僕の手に触れた。


「ありがとう」


 手を握り締める。あの時、僕が差し出した手を取った、彼女の手の感触を思い出す。

 ビルの隙間の細い空が次第に紫色へと変わっていく。

 夜明けは近い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ