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そして少女は今日も学校をふける「マジかそのセリフ」
テキストポイ「200文字小説コンテスト」参加作品
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学校をふけて喫茶店でコーヒーを飲んでいたあたしは、隣の席のカップルが始めた痴話喧嘩に聞き耳をたてていた。
どうやら女が男を責めているらしい。寂しいとか構ってとかそんな話だ。
「わたしと仕事どっちが大事よ!」
マジかそのセリフ、とか笑っていたら、男がポツリと返した。
「無職の俺を愛せんのかよ」
女が止まる。男は席を立った。
あたしはコーヒーを飲む。
「そこで止まっちゃねぇ……」
冷めたコーヒーの味は苦いもんである。




