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ぼくのたび  作者: 玲於奈
3/16

塩むすび

なし

毎日

同じ場所にすわっている


ジャージはやめた


だけど

めざとい

へんなひとがいて


通報されるかもと

おもってたけど


ぼくより

うわてや

つわものがいて


そんなにめだたなくて

すんだ


川は

あおじろく


かわもはあんたも

かおいろわるいよ

というかんじでながれている


ただただ

ぼんやりした


ベンチにすわらないで


いつもおわれているときのように


ベンチのかげになるようにして

地べたに

こしをおろした

あしをベンチと平行にのばした


もしかしてそれが

ホームレスにみえてたんだろうか


ほんのうてきな

にげと

ホームレス

境遇が同じだったのかな


昼のサイレンがなったころ


ジャーからとってきた

サランラップにつつまれた

ごはんをたべる


はじめはあじをつけるのが

わからなかった


おいしくなくて

なみだがあふれた


つぎにしおを手に付けて

にぎった

しょっぱすぎた


ばかだった


なきながら

川面をじっとみていた


はじめは

どうしていいか

わからなかった


ただ

ただ行けなかった


あさは

おなかがいたかった

なんどもトイレにいった


あせった

まにあわなくなる

いつものしゅっぱつじかんに

でられない


母親はぼくより

はやくがっこうをでる


そして

ぼくは一人だった


しかたなく

午前中は

通っていた市のバスケ少年団の

試合のDVDをみてすごした



母さんは

ぼくが学校に行っていないのを

知っているのか

知らないのか

わからない


そして

事件はおこった


「ぼうず、どうしたい。

さぼりかい」


いつものように横たわっていたら

空から声がふってきた


頭をつかまれた

みつかったと思って

背中がピキッとなった


うすよごれた背広を

きたおっちゃん

刑事かと思った


ところが

こぼれるようなにやけ顔


「おっちゃん、なんやねん」


関西人じゃないが

思わずつっこむ。


そう

せざるをえない風情


頭上で鳥が鳴く

のどかすぎて

おもわずそらをみあげる


おっちゃんも

おなじだったようで

となりに座り込む。




なし

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