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ぼくのたび  作者: 玲於奈
15/16

きいろい川

なし

秘密だらけの

おっちゃんが

むかしのことを

はなしてくれるのかと

期待したら


すこし遠くをみて


「おっと

 やつのおかえりだ

 おやおや

 まただよ」


さらに

おっちゃん

しばらくかんがえて


「ぼうず

 しばらく

 師匠のいえを

 みせて

 もらってきな」


そう笑顔でいって

むこうから

やってきたひとのほうへ

むかっていった


さっき会ったばかりなのに

そんなこといわれても

とぼくは

まごまごした


第一

ぼくは

しょたいめんの人に

なかなか

うちとけられない


そうそう

あの保健室デビューの時も

たいへんだった



ぼくが

学校を休んで

だれかは

不登校とか言った


しばらくして

なんとか

学校にたどりついて

校門の境界線をこえてみれば


はて

どうやって

教室に・・・・

と学校に

はいってから

逆に困ったけれど


職員室から見ていてくれた

(これはあとで聞いた)

保健の山口先生が

自然に

児童用玄関のところにきて

泣きそうだった

ぼくに

声をかけてくれた



そのとき

ぼく

はじめて

かみさまって

いるんだなって

おもった


いつも

ぼくが

「たすけて!」って

いうとき


かみさまは

ほとんど

たすけてくれないけど


なぜか

あのときはかみさまの

おきにめしたのか


ぼくは

たすけてもらった


きっと

かあさんのために

ぼくが

がんばって

境界線を越えたからだと思う。



低学年とかが

たくさん玄関から

学校の中にはいってきて

川のようになっている

ながれを

かきわけて

山口先生が

ぼくの手をとって

職員室のとなりの

保健室に

ぼくをひっぱっていってくれた


ぼくは

今まで

山口先生と

話したことはなかったし

保健室に行ったことは

一度も

なかったけど

なんだか

なるようになれで

その低学年の

黄色い帽子と

ランドセルカバーの黄色い川を

ぼくはもまれるように

ひきずられていった


かたまっている

というか

昔を思い出していた

ぼくをじっと

師匠は

かんさつしていたみたいで


しずかに

ぼくをみて

師匠は

やさしくわらって

ぼくを手招きした

ちいさい子に

おいでおいで

しているようで

あまりに

それが自然で

ぼくは

また思わずついていってしまった


おいでおいでを

しながら

たどりついたところは

鉄橋の脚。


コンクリートで

できているかべだった


いくつかの

かれらのいう

家がならんでいた


手前から

3番目の

あおいブルーシートを

どけると

段ボールがあって

中にはいれるようだった

なし

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