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ぼくのたび  作者: 玲於奈
11/16

学校開放

なし

なにもかも

いやになり


学校にいかなくなった


ちょうど

12月のはじまったばかりのころで


そのころ小学校では

地域開放で

老人ホームの人だとか

地域の人だとか、スポーツ少年団の人だとかを

招いて

料理を一緒につくってたべる

とても大きな行事があったが

ぼくは

毎年楽しみにしていたその行事すら

どうでもよくなった


とにかく

人からにげたかった

かかわりたくなかった


部屋から一歩もでなかった


朝起きられず

夜起きる生活になった


そんな生活が1週間続いたころ

カウンセリングにつれていかれた


まっしろなへやに

がっこうの先生が

つかってるような

灰色のつくえがおいてあって


なんだかとにかく大きな

まどがあって

その中央に

大きな大きな公園がみえた


ぼくがねぼけまなこで

その公園にみとれていると

真っ白なふくを着た

若い男の

カウンセリングが小さく会釈をしながら

はいってきて

その古い椅子に座り

ぽつりと言った



「あなたは

 身近な人とも意識をすれ違わせている」



言葉をつづけない。



しばらく黙る。


そして

ぼくの眼を見つめていった


「身近な人と意識を共有したくない

 そんな思いがありますね」



一瞬

いやだいぶ何か話されたが

聞いていなかったようで

なにかに続けて

彼は


「よっぽどだという」


その言葉を最後にまた

彼は黙る



しばらく公園を二人でみていた



「どうでもいいんですよ」


「しばらくどうもしなくても

 かわりません」






「身近な人にかかわれば安心する


 そうなるまで待ちなさい」


彼はそうぽつりと

言った







なし

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