はじまり
なし
屋上からそらを見る。
そらがとっても広い。
どこまでもどこまでもひろがっている。
風がつよい。
灰色の雲やとっても薄い白い雲。
太陽にひかって
白がすごくすてきな雲。
たくさんの雲が空をおおっている。
今日は
青いそらがすくない。
さっきまでかがやくように
天にのびる塔が
きゅうに濃いあおになっていく
「あめがくる」
そう思った
無音のように
チャイムが鳴る。
心に重い黒がひろがる
また、ながい時間がはじまる。
階段をあわててかけおりた
途中階段を飛ばしとびして
足をひねった
いたい
それでも、ろうかをはしって
クラスの窓越しに
中を見れば
英語教師がもう
中央教壇の椅子にこしかけている
大っ嫌いなやつ。
それでも、おくれた自分が悪いので
小さくなって
教室にはいるが
視線がいたい
さまようように
むかう
机に
ごみがちらかっている
いそいでごみを机にしまうも
机の中もあふれる
それを笑うかのように
おかまいなく
叱責
なにをいわれているかは
わからない
ただただ
右から出て左にいくだけ
本能的にそうなってしまった
自己防衛かもしれない
わらい声がまわりをつつむが
赤いつりさがったひもを
がらんがらんと鳴らして
2かいおじぎをして
はくしゅをうって
おさいせんをあげる
神社での一連の動作
そんな
おきまりさ
そして
ものの5ふんもすれば
なにごともなかったかのように
授業は
はじまる
せなかに小さい消しゴムが
ささる
机のなかがあふれてくる
心のなかになにかが
あふれてくる
なし