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敵に捕まって

誤字脱字の王様です。

文章も適当なので読みづらいと思いますが、よろしくおねがいしまう。

夜遅く緑色の鎧を着た女のエルフの前に座らせられている。

敵陣に囚われ両手を拘束され尋問されている。


現在、小競り合いだがラー王国とユニスク王国が戦争を起こしている。

近隣諸国は大規模な戦争になることを望んでいるようだが、両国ともそこまで馬鹿ではないようだった。


傭兵のゼディスは仲間を逃がすためにユニクスの兵士に捕まってしまい、敵の大将の前に引きづり出され尋問されているのだ。

だが、敵の大将は金髪ロングストレートのエルフではなく、ハゲでデブの男のようだ。


「さっさと敵陣の作戦を吐け! この虫けら!」

バシッ!!


デブはゼディスの顔面を鉄の棒で殴りつけ吹き飛ばす。

エルフとデブ以外も4人の兵士が待機していてその光景を苦い顔で見ている。


この世界では捕虜になった時点で拷問がアリだ。

大抵は捕まったら自害する…それの方が楽だから……。

兵士たちもそのことは理解しているが、目の前で自分に降りかかるかもしれない光景に良い思いはしない。


金髪ロングが口を開く。


「楽に死にたいなら、本陣の場所を教えろ」


胸に多くの勲章をぶら下げている。

この軍の実質的権力者はおそらく彼女なのだろう。

デブは貴族で実績造りのためにいるだけなのだろうとゼディスは思った。


彼女は作戦や陣形、敵の将軍の名前などを聞きたがっていたが、デブはただゼディスを殴りたいだけのようで的を射ないことばかり言っていたからだ。


「だから……俺は傭兵だから詳しいことはわからんって……」バシッ!!「くっ!!」


デブの鉄の棒がろっ骨を折っていた。

兵士たちは目を反らしているがエルフは当たり前のように睨んでいる。


「ワシはこの戦争に勝たねばならんのだ! 早くはけ!ゴミ!!」


ガンガンと叩きまくる。

だが、途中でエルフが止めに入った。もちろん助けや同情からではない。


「フィリップ将軍……この男が死んでしまいます。ここはプロの拷問官に任せてはいかがでしょう」

「たしかにエイス将軍の言う通りだな……ヤツらなら生かさず殺さず嬲りつづけてくれる。

たとえ、情報を持っていようと持っていまいと……」


兵士たちはその恐ろしさを十分に理解している。

捕まり拷問にかけられたものは例外なく「殺してくれ!!」と叫ぶのだから……。


それに引き替えゼディスの頭はゆっくりと二人の将軍の名前を確認していた。


(フィリップ……は確かユニクスの王位継承権第8位……こいつか……こいつフィリップって顔か? それとエイスは……エイス!? ドラキュラのエイスか……!?)

ラー王国で恐れられているドラゴンの子(ドラキュラ)将軍エイス。

命乞いしようと女子供であろうと、全てを殺し、その血を飲みほし、破壊の限りを尽くす将軍としてラー王国では知られている。

ほんとうにいくつかの村は跡形もなく破壊されている。


(もっとイケメンを想像していたよ……まさかエルフ様だったとはね~)


エルフは基本人間を見下し人間社会に干渉してこない。

人間1000人に対してエルフ1くらいのわりあいだ。

なぜ 彼女が敵の将軍をやっているかの意味がわからない。

そこまでの地位を手に入れるためには、かなり深くまで人間に関わっていることになる。


ゼディスがそんなことを考えていると、両脇を押さえられ引きずられていく……拷問官のいる場所へと……。







エイスは先ほどの傭兵が少し気になっていた…なにか、おかしい…っと。


だが今はそんなことを考えている暇はなかった。

ラー王国を追い詰めはしたが、これ以上は兵を進めるわけにはいかなかった。

本来なら次の拠点を押さえておきたかったが、ラー王国に物資の一部を焼かれてしまっていた。

先程の傭兵とその仲間だった。


ユニクスの兵士がまんまと騙されていたのだ。

当たり前のように兵士にあいさつして回り、誰もが自国の傭兵団だと勘違いしたのだ。


(さらにあのデブが…)


火をつけられたことに激怒したフィリップ将軍が、見張りとその周りを処分してしまった。

士気の下がりようは目に見えた。

どの兵も神経をすり減らすような見張りの仕方になってしまっている。


そして、今そのデブと二人きりになってしまっている。

遠くから悲鳴が聞こえる。おそらく先程の傭兵が拷問を受けているのだろう。


「エイス将軍…やっと、二人きりになれましたねぇ。ぐひひひひ」


豚のようにヨダレを垂らしている。

はっきりいって、気持ちが悪い。

まだオークの方が愛嬌があるくらいに……。


エイスのお尻に手を伸ばしてくる。が、エイスは逆らわない。

否、逆らえない。曲がりなりにも王位継承権を有しているのだ……。


「私を刺殺したいんでしょ~。いいですよ。アナタの領地が灰になっても構わないなら……ぐひひひひ」


エイスは爵位持ちで自分の領土を分け与えられている。

そこにはエルフを多く住めるような環境を作っている。

彼女の目的はもっと人間とエルフが親しくなれるようにすることが目的だった。


彼女の領土では一割近くエルフがいる。

それは驚異的なことだった。

どれだけ粉骨砕身の思いで成し遂げたかわからない。

そして、今以上に伸ばそうと思っている矢先だ。


だが、この豚男を拒むだけでそれが全て水の泡と化す。

人間もエルフも領土にある全てを本当に焼き払うだろう。

ドラゴンの子(ドラキュラ)の名を付けさせたのはこの男だ。

村を焼き弱いモノを狩り楽しむ……そしてエイスがその尻拭いをする……。


さらにこんな男に抱かれなければならないことが屈辱的だ。

しかし、それも領土のエルフのためだと自分に言い聞かせていた…。


ゾッとする思いで身体を撫でまわされていたが、不意にピタリとやんだ。


「ぅ……ぐっ……」

「嫌がってるんだから、そんな汚い手で美人のエルフに手を出すなよ~」


慌てて、エイスは振り返る。

そこには拷問を受けているはずの男が、フィリップ将軍の脇腹を刺し、口を押えていた。


「き、貴さ」

ガタッ


エイスが剣を抜こうとしたが右腕と口を抑えこまれる。


「エイスお嬢ちゃん……取引しよう」


当然、敵の傭兵などと取引などできるわけがないと思っていた。

その内容を聞くまでは……。


「俺がこの男を殺したがアンタにとってはラッキーだったはずだ。

このままアンタを殺してもいいんだが、アンタもやりたいことがあるんじゃないか?」


確かにその通りだ……それに今この状況なら自分を殺して逃げることができる。

それなのにそれをしない理由が気にかかる。


「俺が逃げ切れるくらいになったら味方に連絡してくれ。

それだけでアンタは疑われないし俺も逃げられる」


口を押さえられているので頷く。

するとゼディスはすぐに手を放した。


「私が本気でその条件を飲むと思っているのか?」

「死にたく無さそうだから、飲むだろ?」


エイスの剣をゼディスが手にしていた。

そうなると彼女に有効な武器はない。


さっさと逃げ出すのかと思ったら、その辺宝箱やタンスなどをあさり始めた。


(何をしているんだ? この男は…)


かなり大きい布を見つけるとフィリップ将軍の首を切り落とした。


「!!?」

「お土産があったほうがいいだろ」


確かに敵将軍……しかも王位継承権まで持っていればかなりの手柄になる。


「俺が言うのも何だが、コイツは権力を笠にアンタにだいぶ酷いことをしてたんだ。当然の報いだろ」

「な……どういうことだ……」


思わず「何故知っている」と言いそうになってしまった。


「エルフで将軍だ……そんなやつが地位にしがみついてまでやりたいことがあるんだろ?

それでこんなデブに身体を撫でまわされてれば嫌でもわかるさ。

それにあんたの部下も、このデブを苦々しく思っていることも容易に想像がつく。

あぁ、勘違いしないでくれ。ここの見張りは気絶させてある。通してもらったわけじゃない」


頭の血を抜いた後、布にしっかりと包んでヨイショっと持ち上げる。

エイスに剣を返す。


「な……ぜ……?」

「いや、お前が持ってないと不自然だろ」

「そういえば拷問官はどうした! 兵士も一緒だったはずだ。それにお前は骨も折れていたし……」

「全部、倒した」


エイスは口をあんぐりと開いてしまう。


(確か……手を拘束していたハズ……それにあれだけの傷を……!? 傷が治っている?! 神聖魔法を使えるのか!?)


そこで初めてゼディスが神聖魔法の回復を使うことが出来ることを知った。彼の格好を見て神官だとは気付かなかった。

傭兵だと思っていたが神官の知識も持ち合わせていたとは考えてもみなかった。戦場で首輪にも数限りあるとはいえ、使用しなかったのは失敗だと言わざるをえない。

大抵の人間は一種類のジョブでしかない……併せ持つことは可能だが器用貧乏になりがちなので好まれない。


「だから、わざと骨を折らせたのか…」


油断させるために……。

その言葉を無視して扉からゼディスは出ようとしていた。


「待て! 傭兵なら私の部下にならないか! 金を積もう」

「え!?」


今度はゼディスが素っ頓狂な声を上げてしまった。

嫌っていた男とはいえ将軍を殺しているのだ……この女は何をいっているんだ? という顔になっていることは自分でもわかっていた。

そしてエイス自身も何を言っているんだという顔になっている。


「ま……待て……待て待て待てぇ……え~っとだな。まずは、しばらくしたら兵を呼んでお前を追わせる。その後もし、生き延びたら私のところに来い……その~……フィリップ将軍の真相を話されたらマズイのでお前を囲って部下にしてやろう?」


最後は疑問形になっている……なにか変だ……自分の感情がオカシイことには気づいたが、何がどうおかしいかわからなかった。

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