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活動報告小話集。  作者: ゆずはらしの
バトンその他による小話
3/6

自給、あるんですか。(永き夜の大陸小話)

※ 「小説家になろう」登録一周年記念として、活動報告に書いたものです。





しばらく小説を書いていなかったので、書き方忘れてしまっています。


とりあえず、リハビリ中。


……おバカさんな話は、ぽろぽろ出て来るんですが。次回予告劇場とか。


前の日記にも書いた、「いきなり次回予告」のサイトを使ったお遊びで。三人のキャラクターの名前を入れ、出てきた次回予告から、ショートストーリーを書くと言う。


すごい変な話になります。


何書いてんだ私。というカンジになります。


笑えるけど。


……。


まあ、一周年だし。記念という事で。内輪ネタSSになりますが。


『永き夜の大陸キャラで、次回予告劇場』


おヒマな方のみ、どうぞ。ただし、本編のイメージが崩れても、私は責任持ちません☆



☆★☆次回予告劇場☆★☆



「新・いきなり次回予告」サイト様から。


『時給、あるんですか』


ユーラとガイリスは遊園地でデート。お化け屋敷に入った2人はとんでもない目に…!!なんとそこにはユーラの元恋人氷玉の姿が!!恐怖のあまり声もでない2人、それを嘲笑いながら見ている氷玉。次回予告「氷玉は時給710円でバイト中」「鎖骨フェチなユーラ!!」「実は30代前半のガイリス!?」この3人の運命やいかに!?来週もみてね!!



……うわ怖。コレで話書けってちょっと(汗)



やってみよう(←



ちなみに登場人物は、


ユーラ…人族、薬師の娘

氷玉(月牙伯爵)…闇魔族

ガイリス…ユーラに従う半獣族の少年

紫忌(白男爵、人間名ローク)…人間の血を引く氷玉の弟




『時給、あるんですか』



「ねえ、ガイリス。遊園地って不思議な所ね。初めて見たわ」


珍しげに周囲を見回すユーラ。


「あっ、あれは何?」

「乗り物のようですね」

「なぜカップの形なのかしら」

「お気をつけ下さい、ご主人さま。何かのまじないかもしれません。妖獣が背後にいて、乗った者の生気を吸い取って、ぐいっと飲んでしまうのかも」


遊園地のコーヒーカップに、そんな能力はない。


「でも何だか、楽しそうに乗っているわよ? 家族連れの人たちとか」

「擬態して油断を誘う妖獣もおります。ああ、あれは!」


メリーゴーランドが、くるくる回っている。


「生きた馬を細胞レベルで木質化するとは、なんと酷い! しかもそれを、見世物にするとは!」

「ええと……コレ最初から、この形に作った人形じゃないかしら……」


遊園地初心者の二人は、それでもそれなりに楽しく過ごしていた。


「まあ。これは何?」

「きゃらめるあじ、のぽっぷん? だそうです」

「美味しいわ。ほら、ガイリスも食べて」

「えっ、あっ、あのっ、……ありがとうございます(真っ赤)」


何やら初々しい。


記念のプリクラも撮り(宝物にしようとガイリスはひそかに決意した)、さて、次はどうしようと思っていると、お化け屋敷が目に入った。


「あら? 何かしら、ここ」

「よお。カップルなら入るべきだぜ、ここは!」

「あら、ローク。何してるの」


呼び込みの兄ちゃんを見て、ざあっと青ざめるガイリス。


「ひえっ! は、白だんしゃ……」

「その名を口にするな、小僧(ぎろり)」

「あああ、すみませんすみません(あわあわ)」

「ちょっと、ローク! ガイリスを怖がらせないで! それで、何をしているの?」

「ああ、すまんな(←全然済まなそうじゃない)。俺はこれでも傭兵だ。今は雇われて仕事中! そういう訳で、呼び込みをやってる!」


そんな仕事までするのか、傭兵。


「入ってくれると、ヒッジョーにありがたいッ!」

「そう? それなら入ってみましょうか……ガイリス?」

「なな何だか、すっごい嫌な予感がします……」

「え〜? 作り物だぜ、中の化けモンは。半獣なら平気だろ。なあ、お嬢ちゃん? ……? どこ見てるんだ?」

「ローク」

「あ?」

「どうしました、それ」

「あ? ああ。コレか、たいしたことない……でうわっ!?」


いきなり紫忌の胸元をがばっと広げ、鎖骨を眺めるユーラ。


「うひえ!?」

「火傷? ろくな手当てもしないで、あなたという人は!」

「いや俺、回復は人族より早いのよ、生粋の魔族ほどじゃないけど……でえっ!? 触る!? そこで触る!? よ、よせ、ちょっぴりうれしいけど、兄上に殺される〜ッ!!!」


問答無用ではだけた胸に軟膏をぐいぐい塗られ、紫忌は涙目になった。


「入るんなら入ってくれえ! そして俺を一人にして〜ッ!」

「ご主人さま……薬師として見過ごせないのはわかりますが、もうその辺で……」

「ありがとう、坊主! おまえの気遣い、年期入ってるカンジで涙出る……」




お化け屋敷の中は、薄暗かった。


「足元、お気をつけ下さい」

「ガイリスは見えてるの?」

「多少は。半獣ですので……!?」


何だ。

ものすごいプレッシャーを感じる……ッ!


「ご主人さま! 俺の後ろに!」

「えっ!? な、何……ああっ!」


バリバリバリバリ、


どっかーんっ!


「雷!?」

「きゃ…ッ!」

「ご主人さまッ!」


ざあっと走る、黒い影。悲鳴と共に、ユーラの姿が消えた。


「ご主人……ああッ!」


ガイリスは青ざめた。


「ちょっと氷玉ッ! どこ触ってるの〜ッ!!!」


ぴしゃーん!


マントを広げてユーラをさらった月牙伯爵が、胸に触ったとか触らないとかで、真っ赤になったユーラから平手打ちを受けていたからだ。




「姫。私を置いて、そこな半獣と出かけるとは……」


ぎろり。睨まれてガイリスは震え上がった。怖い。無茶苦茶怖い。


「だってあなた、太陽の出ている時間帯は、外に出られないじゃない」

「姫の為ならば、この身が焼けただれても悔いはない。一言あらば、供をした」

「燃え出すあなたを横にして、楽しく過ごせる訳がないでしょう!?」

「瑣末な事は、気にするでない」

「気になるわよ!?」

「ふ。姫は優しいな」

「普通だから私の反応は!」


そこでユーラは、はたとなった。


「待って。日中よ、今。どうして眠らないで平気なの」


氷玉は「チョー強力! 日焼け止めMAX」を取り出した。


「まあ。成分は? 何で出来ているの!?」


いきなり目を輝かせるユーラ。


「欲しいのであれば、用意させる」

「えっでも高価な薬じゃ」


氷玉は胸を張った。


「ここの『ばいと』とやらの必要経費に入っているのだ。ちなみに時給は710円だ」


……。


ガイリスは耳を塞ぎたくなった。闇魔族の誉れたる月牙伯爵が、時給ななひゃくじゅうえん……。


「働く事は大切よ。頑張ったのね」


ユーラはしかし、にこりとして言った。


「うむ。紫忌が持ってきた仕事なのだが。なかなかに興味深い」

「そうなの」

「やって来る者に、雷を落として見せれば良いだけなのでな。つまらないほどだ」

「つまらなくても、必要としている人がいるのですもの。やり遂げるのは、大切な事よ」

「うむ」


何だか良い話になっているようだ。


うなずいた氷玉だったが、次の瞬間、いきなり胸元をはだけた。鎖骨を出してくる。


「!?」


ぎゃーッ! 伯爵さま、何コートマンしてるんですかーッ!


内心叫んだガイリス。しかしユーラは動じなかった。


「どうしたの?」

「私も怪我をした」

「そうなの?」

「紫忌ばかり、ずるいではないか。薬を塗って欲しい」


なんじゃそりゃ〜! ガイリスは声に出さずに突っ込んだ。生粋の魔族が怪我なんかしたって、一瞬で治ってるでしょうが〜ッ!


「どこ?」


しかしユーラは真剣な顔でのぞきこんでいる。騙されてる! 騙されてます、ご主人さま!


「暗くてわからないわ……」

「案ずるな。われらは回復力が強い。ただ、そなたの手で触れて欲しいだけだ」

「触ると痛いでしょう? ああ、そんな顔しないで。軟膏の残りがあるから」

「それで良い」


だから騙されてますってば、ご主人さま!


「だ、」

「まあ、あれだ。気にすんな」


ぽんと肩を叩かれ、振り向くと紫忌がいた。


「男爵さま」

「気にするだけ負けだ。ハゲるぞ。あれはあーゆーモンなんだと思っとけ」

「……そうですね」


ガイリスは深いため息をついた。


「バカップルにツッコミ入れても虚しいだけですものね……」

「すげえしみじみ言ったな。哀愁漂ってんぞ」

「ふふふ。ご主人さまはわが道を行かれるし、伯爵さまは俺様だし、間に挟まれた俺は、俺は、神経擦り減らすのが日常なんですよッ。今日は、今日だけは気楽に過ごせると思ったのに……」


ああ、でも俺には、このプリクラがある。うなだれてそうつぶやくガイリスに、まるで悲哀に満ちた中間管理職のようだと紫忌は思った。疲れて仕事から帰ってきて、一人でぽそぽそご飯を食べる、リーマンのお父さんのようだ。




とりあえず、生鎖骨を触ってもらって、氷玉は満足したらしい。バイト代から、記念キーホルダーやら、イチゴ味のチュロスやらを購入し、満足そうにユーラに貢いでいた。


一日限りだったえらいイケメンと、めちゃめちゃリアルな雷の演出は、その遊園地でその後、伝説になったという。



Fin.



2009年11月19日活動報告「リハビリ。一周年記念SS」より。

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