表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
審判の実  作者: 葉月 涼
12/14

12

「グアッ!目潰しとは姑息な真似を!グアアァァァ!!」

「アルベルト様!ギャアアァァァ!!」

「隊長殿!?グハッ!!」


 聖王騎士団の視界を奪うと同時にアルベルトとその近くに居た数人を斬り付け距離を取った。


「全員下がりなさい!クライブ!!私はここです!!殺れる物なら殺ってみなさい!!」


 クックックッ・・・聖王殿は浅慮に過ぎますな―――


「グハッ!」

「ギャアアァァァ!!」

「ガハッ!」


 不老不死の者なんぞ先に狙うものか馬鹿者め―――


「なっ?!クライブ!貴様何をしている!!」


 複数個所から悲鳴が同時に聞こえれば混乱するのも無理はないが本当に浅慮過ぎる。


「私ではありませんよ聖王殿。総員後退!小隊長を先頭に整列!!」


「「「「「ハッ!」」」」」


「そろそろ視力も戻る頃でしょう?ご自身の目で確かめてみては如何か」


「・・・い、何時の間に・・・・・」


 私の後ろに整列する五十人からの部下達を目にし驚愕する聖王。数では倍以上の差は有るがその実力は御飾騎士団の比ではないぞ。


「単に私一人が先行して来ていたただけの事。先程の魔法は目潰しだけでなく部下達への交戦開始の合図でもあり・・・後発の部隊全てへの伝令でもある」


「ま、まさか・・・・・」


「終わりだ、聖王・・・いや、ウォルタード・グランバートよ。一日と掛からずに帝王騎士団が教会を接収し教団関係者の全てを捕縛するだろう。最早手遅れだ、この国に貴様等の帰る場所などないぞ、諦めるのだな」


「き、貴様ああぁぁぁ!!グアァ!!」

「「「「「ヒイイィィィ!!」」」」」


「喧しい奴等だ。何やら派手な魔法を放っていたようだが何が有ったのだ、クライブ殿」


 怒りに震える聖王が叫び声を上げた瞬間、上空から巨大な影が飛来し、聖王はその巨大な爪に囚われ叫び声は呻き声に変わった。


「ウッ!せ、赤竜殿・・・これは、その・・・・・」


「クライブ!貴様、魔物と通じておったか!一体何を企んでいる!!」


 こいつ本当に馬鹿だな、自分の置かれた状況も理解していないのか?


「喧しいと言ったのが聞こえんかったのか?何者かは知らんが、貴様は少し静かにしておれ」


「グハッ!」

「「「「「ヒッ!」」」」」

「うむ。してクライブ殿、こ奴等は?」


 赤竜殿の腕に力が籠ると聖王は口から泡を吐いて意識を失い、聖王騎士団の面々は短い悲鳴を上げてその口を両手で覆った。ま、まぁ取り敢えずなんと説明するかだが・・・・・


「あ~・・・その、や、野盗・・・です」


「やとう?」


「あ~・・・盗人と言えば解かりますか?」


「ふむ、ぬすっとか・・・・・」


 どうやら彼等には無い言葉の様で中々理解して貰えなかった。


「え~っと・・・他者から強引に物を奪う輩・・・でどうです?」


「・・・成程、其方等にとっての『敵』と言う事ならば放っておく訳にもいかんか」


「ま、まぁ、そう言う事になります」


「あい解かった・・・ヌン!」


「「「「「グアアァァァ!!」」」」」

「「「「「ギャアアァァァ!!」」」」」

「「「「「グハァ!!」」」」」


 理解して頂けて何よりと安堵の息を吐いた次の瞬間、赤竜殿は物凄い速度で聖王騎士団を蹂躙と言うか瞬殺した。あの巨体で何と言う速度だ・・・・・敵対しなくて本当に良かった・・・・・


「うむ、これでよいな。さてクライブ殿、今回は我等の主が現れた故、それを知らせに来たのだ。其方の主殿の都合が良い日と場所をお知らせ下さればこちらから参るつもりだと主殿にお伝え頂けるか?」


 我々に恩を売って会談を有利に進める気など全く感じさせない口調で話をされて少し呆気に取られてしまった。会話の邪魔だったから序に殺っといた感が凄いな・・・・・


「は、はい。直ぐに知らせを出しますが、少々遠いので返答は~・・・と、十日!十日程お待ち下さい!」


「うむ、解った。では十日後にこの場で」


「は、はい!あ~いや、東の前回御会いした場所ではいけませんか?」


 流石に被災した農村に何度も赤竜が現れたと噂が流れれば今以上に国中が混乱しかねないので前回御会いした簡易拠点でと進言した。


「構わんぞ。では失礼する」


 今回も問題・・・無かった訳ではないが、赤竜殿と良い関係を築けている気がして安堵した。彼の眼に私はどの様に映っているのか気になる・・・・・


「ハッ!ご助力感謝します!!」


「「「「「有難う御座いました!!」」」」」


 背中の羽を広げ空飛んでいく赤竜殿の背中に感謝を伝え、視線を落とすと惨状が広がっていた。


「・・・・・団長どうしましょうか、これ」


「どうもこうも無かろうが、取り敢えず生存者を拘束・・・いる訳が無いか・・・・・」


「あの巨体がとんでもない速度で攻撃した訳ですし、あれを喰らって生きてたら人間じゃないですよ」


「まぁそうなんだが・・・聖王は、聖王の亡骸は何処だ?」


 目の前の惨状を見渡したが聖王が見当たらない。奴の不老不死と言うのが如何言う物なのか見てみたかったのだが・・・・・


「あ、あれ?」

「確かに叩き付けられた所は見たんですけど・・・・・」

「有りませんね?一体何処に?」


「取り敢えず全ての亡骸を集め装備を外して魔法で焼却だ。その後お前達は当初の予定通り各農村の支援を頼む。私は一旦帝都に戻り陛下に直接判断を仰ぐつもりだ。後副長にも指示を出し直さんといかんしな」


「あ~・・・もう伝令で済ます訳にはいきませんか」

「確かに伝令では正確に伝えきれそうにありませんし」


「では後は頼むぞ」


「「「「「ハッ!」」」」」


 後片付けを部下達に任せて愛馬に飛び乗り帝都へと向かった。


 片道五日で全てを片付けて戻らねばならんのか・・・・・十五日位にして貰った方が・・・いや、待たせ過ぎて機嫌を損ねられれば国が滅びてしまうのだ・・・私が少々無理をすれいいだけの事だ・・・・・

ここまで読んで頂き有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ