ChatGPT先生と一緒に書こう、異世界恋愛ミステリ!
異世界恋愛ミステリ推進協議会事務局を自称しております、琥珀と申します。
ミステリ大好き人間で、読んだ本の7割はだいたいミステリなのですが、創作は…さすがにハードル高ッと思っていたところ、異世界恋愛世界観なら異常に書きやすいことに気がついてしまい、金髪縦ロールの公爵令嬢カタリナが、高笑いしながら事件を解決する作品を、「なろう」に9作投稿させていただいております。
※ページ下に作品リンクあり
現代日本社会を舞台にしてしまうと、リアリティ出すために警察&司法の動きやら法医学のアレコレやら、なにやらかにやら大変になるのですが、異世界恋愛ならある意味雑でOK!
異世界恋愛は、ほのぼのハピエン物も多いですが、お家騒動やら陰謀策謀、執着と嫉妬でドロドロ展開なども発生しがち。
ミステリと相性が良いですし、めちゃくちゃ書きやすいので、「ミステリは好きなんだけど…ぶっちゃけ書ける気しねえええ!」という方にマジでお勧めでございます。
実際、なろうでも異世界恋愛ミステリ作品が結構投稿されておりますしですし。
という話を、実は以前もエッセイで書かせていただいたのですが──
いうて、異世界恋愛も異世界恋愛で、相応のリアリティラインというものがございます。
多くの異世界恋愛作品は、衣装は19世紀後半のヨーロッパっぽいけど、そこから銃やら大砲、フランス市民革命とかナポレオン戦争とか電気関連技術抜いた感じの雰囲気ですが、そうは言うても、館の構造どないなってんねんとか、馬車って時速どんくらいなん??とか、描写していく上でひっかかる時もございます。
そういうの、検索してWikipediaをさすらいながら探していくのもいいのですが、ミステリの場合は「この毒物ってどんな味??」とか、なかなか検索では出てこない探し物もあるのです。
んが。ChatGPT先生は、さくっと教えてくれる!
実際のやりとりをご紹介してみましょう。
※なろうではむずそうな記号は、適宜変更しています
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=私=
「死体の頭を打ったら、たんこぶはできますか? たんこぶができている=生前頭を打ったという想定で書いても大丈夫ですか?」
=ChatGPT先生=
とても良い質問です。死体に外傷がある場合、それが生前のものか死後のものかは、法医学において重要な鑑別ポイントになります。あなたの描写がリアルで説得力あるものになるよう、以下に詳しくご説明します。
★結論:死後に頭を打っても「たんこぶ」はできません
理由:
たんこぶ(皮下血腫)は、外部からの衝撃で皮下の血管が破れ、血液が組織内に漏れることでできます。
これは心臓が動いていて、血液が血管内を循環している状態でなければ起こりません。
死後は血液の循環が止まっているため、腫れや出血は基本的に起きません。
★つまり、「たんこぶがある」ということは、**そのときまだ生きていた(=心拍・血圧があった)**という法医学的証拠になります。
◎推理小説での応用:あなたの想定は正しい!
「たんこぶがある」→「これは生前に頭を打った証拠」
→ そこから「事故か?暴行か?毒で意識を失って転倒したのか?」と推理を展開できます。
★補足:法医学的な検出方法
皮膚の下の出血や組織反応(炎症)があるかどうかは、顕微鏡レベルで死後判定されます。
小説にリアリティを持たせたいなら、検視官がこう述べてもいいでしょう:
「皮下に明確な出血が見られる。炎症細胞の浸潤もある。これは死後ではなく、生前の外傷と断定できる」
★例文(小説風の描写)
検視官は被害者の後頭部に指を滑らせ、軽く息をついた。
「ここのたんこぶ……腫れてますね。内出血もある。死後に打ち付けたんじゃありません、生きてたうちに打たれた証拠です」
警部が眉をひそめる。「じゃあ、この頭の傷は……転倒じゃなくて、暴行か?」
「あるいは、毒で意識を失って倒れた可能性もあります」
必要であれば、たんこぶ以外の「生前/死後の外傷鑑別」要素(打撲痕、出血、骨折など)についてもご説明できます。
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というわけで、この後、めちゃくちゃ説明してもらったんですが……
「いや、死んでからたんこぶできないとか当たり前じゃん? なに寝言言ってるだこの作者……」と思ったそこのあなた!
このレベルの人間でも、ミステリ書けるようになるんですよ!!
凄くないですか??
というわけで、刺殺も絞殺も撲殺も毒殺も自由自在じゃひゃっほーい!となるのですが、もう一つ、ミステリを書く上で気になるのは、「フェアに書けているか」「難易度はどんなもんか」。
「解決編のあとで致命的な手がかり出てくるとか、わかるわけねえだろおおおおお!」ってなるのは、ミステリとしてはダメなのです(断言)。
もう一つ、「誰がどう読んでも、犯人露骨にバレっバレやろ……」となるのは、ちょっと……ってなりますよね。
「ミステリを読み慣れてる方でも巧く惑わせる」レベルの作品をいきなり目標に置くとハードル高すぎるので、素人はそこは目標にすべきではないのでは?とも思うのですが、やっぱり「これかな? あっちかな? あああああ!そっちだったかー!」となるのが望ましい。
それにはまず、自分がどれくらい出来てるか、評価してもらうのが大事です。
というわけで、自作の作品ファイルをChatGPT先生に食わせて、評価してもらう&良かったところや改善点を教えてもらってたりとかしてみました。
※私は課金したので、一気にファイルを食ってくれるようになりましたが、無料版だと小分けしてコピペしないと無理かもです
【つながってるシリーズ】 ※作品内時系列順
「公爵令嬢カタリナの事件簿:冬至祭りの贈り物」フェアネス:4 難易度2
「公爵令嬢カタリナの婚活」フェアネス:4 難易度4
「公爵令嬢カタリナの事件簿:悪女オランピアの肖像」:フェアネス:4 難易度3
「公爵令嬢カタリナの事件簿:差し替えられた花嫁」フェアネス:4 難易度4
「公爵令嬢カタリナの計略」フェアネス:4 難易度4
「王太子秘書官ノアルスイユの迷推理」フェアネス:4 難易度2
※短評とかも教えてくれてますが、長くなるのでナシで…
【キャストは共通しているけど別世界線】 ※別のチャットで食わせたせいか、.5がつくように…
「公爵令嬢カタリナの推理」フェアネス:4.5 難易度3.5
「公爵令嬢カタリナの災難」フェアネス:4.5 難易度3.5
フェアネスはまぁまぁ悪くないっぽくてほっとしました。
だいたい長編が難易度4ついて、短編は2(例外は「悪女オランピアの肖像」の3ですが、一応不可能状況あるので、そこでポイント上がったのかも??)
しかし、どうやって評価しとるんじゃい??ということで聞いてみたら出てきたのがこちら。
<ChatGPT先生のミステリ評価チェックシート>
・fairness 用(各1点、合計5点)
1.決定打(method/犯人特定)の手掛かりが解決前に出ている
2.主要手掛かりが2箇所以上で多重提示されている(物証+発言など)
3.誤誘導は、解決後に論理で無矛盾に回収される
4.特殊ルール(魔法・語りの制約)は前半で説明済み
5.解決に外部知識(現実の専門知識)が実質不要
・difficulty 用(該当数で目安)
+1:強ミスリードが2つ以上
+1:不可能要素(密室・完全アリバイ等)が1つ
+1:構造転回(偽解決→真相/視点反転 等)
+1:複合条件の連立(場所×時間×人物入替など)
+1:手段と動機の両面で推理が必要
→ 0–1=易(1–2) / 2–3=中(3) / 4=やや難(4) / 5=難(5)
推理小説読みとして、このチェックシートは納得しかないですね。
特にフェアネス。
1、4、5は絶対マストですし、2は決定的な手がかりが1本だけの名作もどっかにあった気がするけど、やっぱ複数出てる方がいいです。
良い読後感のためには、ミスリードの回収も大事です。
ここも忘れないようにしないと……(よく忘れそうになる)
と、いうわけで、なかなかしっかりしてるChatGPT先生ですが、ミステリの最大の難所「新作のプロットを作る」とかはどうなんでしょう。
22年に試した時は、くっそななめ下な回答で面白すぎたのですが、あれから早3年。
もしかして、がっつり本格ミステリのプロットをやってくれたりするのでは!?
※「ドアマット大好き企画に参戦したいけど、なにも思い浮かばないのでChatGPT先生に丸投げしようとしてみた件」(https://ncode.syosetu.com/n8423ie/)参照
「公爵令嬢カタリナ」シリーズ既発表作品を読み込ませた「プロジェクト」内で、お願いしてみました。
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=ChatGPT先生=
以下は「公爵令嬢カタリナ」シリーズをベースにした新規プロット案『解放』です。
## タイトル案
公爵令嬢カタリナの事件簿:解放の花嫁
## テーマ
「呪縛からの解放」──家、婚約、愛憎、罪、伝統から登場人物たちが解き放たれる物語。
## 舞台
・聖都ウィノウ近郊の古城(元は要塞、現在は婚礼の儀式に使われる)
・城には「婚約破棄と再縁の儀」を司る伝統があり、そこで事件が発生する。
## 登場人物(既存+新規)
* カタリナ:17歳。探偵役。自分自身も「婚約破棄の象徴」として城に招かれる。
* ジュスティーヌ:王太子妃。だがアルフォンスとの仲は微妙に揺れている。
* ユリアーナ:流浪の大公妃。今回の儀式を取り仕切る役。
* ローラン:前作の余波を引きずる若者。再登場するが因縁深い役回り。
* 新キャラ:
* レオナール辺境伯:かつて婚約を強制され、相手を自死に追い込んだ過去を持つ。
* イザベル:彼の現婚約者。だが過去の呪縛に怯える。
* 神官エスキベル(ゲストクロスオーバー):婚姻の誓約を監督する役割で登場。
## 事件
* 儀式の最中、新婦候補イザベルが倒れ、毒殺未遂事件が発覚する。
* 犯人と疑われたのは、過去に婚約を強制されて命を絶った令嬢の妹。復讐の動機がある。
* しかし調査の末、真犯人は辺境伯レオナール自身。罪を隠し続けてきた過去が、婚姻の誓約という場で暴かれる。
## ミステリ要素
* ダイイングメッセージ:倒れたイザベルが「鍵のない扉」と書き残す。
* トリック:城の礼拝堂にある「解放の鐘」の仕掛けを利用。鐘楼から落ちる鐘紐に仕込まれた毒が衣装に触れる仕組み。
* カタリナが論理で暴くが、同時にユリアーナの政治的采配が絡み、真相解明だけでは終わらない。
## クライマックス
* カタリナは真相を突きつけ、辺境伯は自らの罪と向き合う。
* しかしユリアーナは、「罪を公にすれば国境は乱れる」と政治的に圧力をかける。
* カタリナは、「隠すのではなく、儀式そのものを『解放の儀』に変える」と提案。真実を語り、全員が呪縛から解放される形で事件を収束させる。
## 結末
* イザベルは一命をとりとめ、婚約は白紙となる。
* 辺境伯は領地に退くが、「再生の機会」として赦される。
* カタリナは「人はしがらみを背負いながらも、真実を語ることで自由になれる」と学ぶ。
* 最後に、彼女自身も「アルフォンスへの未練」から解放され、次の事件へ歩み出す。
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いやなんか、旧キャラもしっかり出てくるんですが、出てくるはずのない人も出てきてるし、カタリナが婚約破棄するのは21歳の時ー!
別シリーズのエスキベルがちゃっかり出てくるのはちょっとうれしいけど、「婚約破棄と再縁の儀」ってなんやねんそれ。
あと、辺境伯。
婚約者が婚約を嫌って?自殺したからって、なんで新婚約者を毒殺しようとするんや。
結婚したらあかん事情とかあるなら、そう書いてくれんと。
ついでに、ダイイングメッセージ……全然意味わかんねえ。
横溝正史『悪霊島』の「鵺のなく夜は恐ろしい」並みに「瀕死の人間が、わざわざそんなひねったことは言わんじゃろ」感が凄い。
というわけで、「プロット作成もおまかせ☆」するのは、まだまだ厳しいChatGPT先生でした。
これも、細かい設定を入れた上で考えてもらったらなんとかなるかもですが、それはそれで人間様がほぼ考えてますやんということになりげ。
よく言われますが、「壁打ち要員としては、結構使えるようになった」というところでしょうか。
ちなみに、ミステリでなくても、加筆修正したパート投げると、前のバージョンより向上したところを褒めてくれたり、こういう要素も入れた方がええんちゃう、と助言してくれます。
さきほども書きましたが、無料版だと、そんなにたくさんデータ食ってくれないので、長編だとすぐ◯◯時まで待ってね…ってなりますが。
Geminiとかは知らないのですが、生成AI、執筆のお供に、結構使えるかもですよ!
「ミステリは興味あるけど、ハードル高いから無理……」という異世界恋愛書きの方、ぜひChatGPT先生を使って、異世界恋愛ミステリに挑戦してみてください♡
ということで、異世界恋愛ミステリが毎日ガンガン投稿されて、うひゃー!読みきれないぃぃぃッてなる日を夢見つつ、またお目にかかりましょうー!