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恋文  作者: ひろ
14/17

小覇王との再会 2

早めに続き投稿すると言いつつ間が空きました(汗)


閲覧ありがとうございます!

2



 にべもない姉上の対応に、どうするんだろう?と思わず孫策様を見返す。

 怒って何かされたら僕が姉上守らないと。

 でも流石に小覇王。

 勝てるかな?なんて思ってると、


「俺の飯ねぇのか。しょうがねぇなぁ。帰るか」


 割とあっさり引き下がった孫策様。

 その場から立ち上がる。

 険悪なことにならずにすんでほっとしたが、せっかく来たのにそのまま帰っちゃうのかな?

 なんて思っていると、


「そうだ小喬」


 と言って再びその場にドカッと座り込んだ。


「ん?ふぁい?……んぐっ!」


 突然声をかけられびっくりして思わずご飯の喉に詰まらせる。

 そのまま咳き込んでいると、


「小喬が食事をしているんだから静かにして。つまみだすわよ」


 再び姉上の声。

 姉上、小覇王に対して態度強すぎ。

 それに対して、


「ああ、すまんすまん。驚かせたな」


 と孫策様。

 悪かった。と僕の頭を撫でてくるが、


「小喬に気安く触らないで頂戴」


 更に冷たい姉上一言。

 しかも一番今までで怖い声。

 僕今までこんな姉上の声聞いたことない。

 それに対して、


「なんだよ、やきもちか?」


 なんだか嬉しそうな孫策様の声。

 え?そうなの?って思ってると、


「小喬に気安く触れるなんて何人たりとも許せないわ」


 美人が怒った表情ってこんなに怖いんだな。

 っていうのを初めて知った僕。

 それに比べて、


「怒った顔も可愛いな、大喬」


 言ってにやける孫策様。

 えっと惚気?

 にしても姉上怖すぎ。

 

 というか孫策様。

 人って恋愛すると感覚狂うのかな?

 それとも孫策様の精神が鋼すぎるのかな?

 どうなのか悩んでいると。


「でさ、小喬に聞きたい事、あるんだけどよ」


 どうやら心が金剛らしい孫策様。

 姉上の不機嫌を意にも介さず、僕に話しかけてくる。


「周瑜の事なんだけどさ」


 また周瑜様のことだ。

 孫策様まで。

 また同じことを聞いてくるんだろうか?


「あいつのことどう思って……」


 やっぱり。

 と思っていると、


「小喬と話している時間なんてあるの?どうせ忙しいんでしょう?母屋に顔を先に出したら如何?」


 話を遮って姉上が割り込んできた。

 その言葉に孫策様は言葉を止めて少し考えると、


「確かにそうだな。急いでそっち行くか。じゃぁまたな」


 言って孫策様は急に立ち上がると、颯爽とその場を後にしてしまった。 

 そのあまりの慌ただしさに、ついあっけにとられる。

 なんかつむじ風でも通り抜けて行ったみたい。


「本当に騒がしい人ね」


 言って姉上が器を取り、食事を始める。

 

「さぁ冷めちゃうわよ。早く食べて小喬」


 さっきとは一転。再びにこやかになる姉上。

 いつもの姉上に戻って少しホッとしつつもさっきの孫策様の言葉が気になる。


「姉上」

「なに?」

「母屋に孫策様が何の用なの?」


 僕の言葉にほんの少し眉を動かした姉上。

 そして、


「家族に挨拶とか。他にも今後の事とかあるでしょう?」


 と答えた姉上。

 確かに母屋には父上や母上もいるし、結婚の事とか今後の事とかの相談もあるか。


「僕も顔を出した方がいいかな?」

「小喬は外で護衛を待たせているでしょう?また今度ゆっくりいらっしゃい」


 言って再び食事を勧める姉上。

 確かに待たせたままでは悪い気もするけど。

 でも孫策様への態度といい、色々気になる。

 

 姉上、あまり孫策様のこと好きじゃないのかな?

 強引に結婚決められちゃったし、嫌だったのかな?

他に好きな人とかいたのかな?

もしかして……。


ああどうしよう!

なんて聞き出そう、ともやもやしていたけど、


「ああ、小喬の食事している姿は本当に最高だわ」


 なんて言って僕と幸せそうに姉上が食事をするものだから、ついついそのまま楽しい食事を堪能してしまい。

 心に僅かに引っかかっていた疑問は、気が付けばポロリと落ちてどこかへ消えて行ってしまった。




次こそは速めに続き投稿したいです。

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