男装の理由
閲覧ありがとうございます!
オフが忙しくて今回は短いです。
「あら小喬、いらっしゃい」
突然の実家への帰宅だったが、僕が返ってきたことを知ると、姉上は僕を門まで出迎えてくれた。
いつものように満々の笑みを浮かべ、その豊満な胸に顔を埋めるように抱擁してくれる姉上。
ぎゅっと抱きしめられると姉上から甘い良い香りがして心が和む。
大好きな、姉上の香り。
「日中はつれなくて御免なさいね。びっくりしたのと急いでいたものだから」
言って頭を撫でるように頬を摺り寄せる姉上。
普段はこんな風に僕を可愛がってくれているのに、あの時は素っ気ない感じだったから僕も正直驚いていた。
それも気になって逢いに来たのはあったのだけど、
「変な誤解とかあったんじゃないかって。でも周瑜様から事情は聴いたでしょ?」
「うん」
「ならよかった」
心底ほっとする姉上。
「私から説明しても却って誤解することになるかもしれないしと思ってお願いしたのよ。だって可愛い小喬を困らせたくないもの」
と言っておでこにちゅっちゅする姉上。
なんかいつもの姉上で僕もほっとした。
そう、姉上は僕をとても溺愛している。
僕が男装することになったのも姉上からの提案だった。
「小喬は天女の様に可愛いから、女の子の格好していたら天界に攫われてしまうわ」
なんていって男装させたものの、結局は、
「男の子の恰好をしていても小喬の可愛さは隠しきれないわ。どうしましょう?」
なんて悩んでいたものだった。
でも僕はこの方が動きやすかったし、僕の方こそ姉上が美人過ぎて狙う厄介な人が多かったものだから武芸を習いたくてこの格好の方を選んだ。
結果強くなれたし、僕もこれでよかったと思ってる。
なんて昔のことを思い返していたが、
「姉上」
「なぁに?小喬」
「いつまで抱きしめているの?」
だいぶ時間がたったはずなのに、未だに僕をぎゅっと抱きしめている姉上。
いつも僕をよく抱きしめてはくれるけど、今日はずいぶん時間が長いなぁって思っていると、
「だって昼間は小喬を抱きしめそびれちゃったんだもの。それに逢うのも久しぶりだし。いっぱい小喬を補充しとかないと」
言って更にぎゅっぎゅと抱きしめてくる。
胸に顔が潰されそうです。姉上。
何とか顔を胸の上に押し出しながら、姉上に言う。
「此処まだ門だから、家に入りたいんだけど」
自分で言ってから「そうだ門だった」って思い返して後ろを振り返ると、蒋欽が笑ってこっちを見ていた。
周泰は見ない振り。
蒋欽、周泰を見習って。
しかも、
「俺達も抱擁するか?」
なんていって周泰に嫌がられて、無理やり抱き着いてサバ折している。
蒋欽、酷い。
それを見て姉上、
「あらあら仲良しね」
なんて笑っているけど、あれは仲がいいの……かな?
周泰悲鳴上げてるけど。
続きは1週間後、来週金曜日夜22時に投稿予定ですが、ちょっと忙しくて更新できないかもです。
(なるべく更新したいです!)




