7 ポイントは語尾にハートです
本日2本投稿です、ご注意ください!
両親の濃ゆそうな馴れ初めは気になるものの、自室に戻り着替えることにしました。
「す、素敵すぎです!お母様!マーガレットさん!ありがとう!」
「よく似合ってるわよ。本当に天使みたいだわぁ」
なんとこの日のためにお母様が真っ白なワンピースを用意してくれていたのです!
キャミソールと裾には繊細なレースがふんだんに使われていて、腰は水色のリボンで結ばれています。そのおかげで、幼女の寸胴体型でもスタイルが良く見えます。嬉しくてくるくると回れば、シースルー生地とで二重になっているスカートの刺繍がキラキラと反射して…まるでお姫様になったかのような気分です
髪もマーガレットさんが編み込みのハーフアップにしてくれて、おめでたい日だからと口紅も塗ってくれました。どうして子供の時のお化粧ってこんなにテンションが上がるのでしょうか…。髪を結うのに使ったリボンは腰のものと同じで、全体に統一感が出ています。
自分で言うのもなんですが、鏡に写った姿はまさしく天使です。
「お母様!早くお父様に見せよう!」
「あら、呼ばなくてもどうせそこにいるわよ?」
「そこ?」
お母様がそう言って扉を開けると、突然支えのなくなったお父様がベシャッとなだれ込んできました。
お、お父様…?後、なんでわかったんだお母様。
そんな引いてる私を意に返さず、起き上がって私を見たお父様の顔がゆっるゆるになります。もうツッコミませんよ?
「うわぁぁぁ!!とっても似合ってるよ!アイリス!天使だ!こんなに可愛い姿で教会になんて行ったら天使と勘違いした女神様に連れて行かれてしまうんじゃないかい!?そんなのダメだ!うん、やめよう!教会行くのやめよう!」
「何言ってるの?オーキッド。行くに決まっているでしょう?あんまりわがままを言ってはいけないわよ?ちょっとした冗談よね?……ね?」
「あ、当たり前じゃないか!あ、あはは…」
さすがお母様。『ね?』と言った瞬間だけ背後に黒いオーラが見えました…。母は強しってやつですね。
でも、お父様絶対本気で言ってましたね。よほど天使な私を人に見せたくないのか、未だ項垂れていますもんね。小さな声で『こんなに可愛いアイリスを外に出すなんて…全人類がアイリスを好きになってしまう…』とかぶつぶつ呟いています。お父様?普通に聞こえてますよ?ほら、段々とお母様の笑顔が黒くなってきてますもん…。
仕方ありません、ここは(見た目だけは)天使な私が空気をよくしましょう。お父様の服を摘んで上目遣いで見つめます。
「お父様?アイリス、だーいすきなお父様と一緒に洗礼に行きたいな。…だめ?」
「ダメなわけないさ!早く行こう!すぐ行こう!今いこう!」
「いや、まだ早いよ…」
こてんと首を傾げて聞けば即答で返事が返ってきました。ポイントは語尾にハートマークをつけることです。
精神年齢20歳越えでやるぶりっ子はなかなかきついものがありますが関係ありません。今の私は7歳なんだから。