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10 フられました

しばらくぼうっと見つめ合っていると、突然バッと肩を引かれ振り向かされました。


「お前!何デイジーにガンつけ、て……っ!?」


後ろにいたのは桃色の髪に緑青の瞳をした三白眼の少年でした。

…ここにいるってことは私と同い年ですよね?めちゃくちゃ目力強くないですか!?“ヤ“のつく自営業の方並ですよ…?

初めは睨んでいた少年の顔がだんだん赤くなっていきます。どうしたのかと首を傾げたら少年の喉からひゅっと音がしました。こ、怖がらせちゃいました?

内心あわあわしているものの、お母様の教育のおかげで苦笑程度で済んでいます。女の子ーー少年によればデイジーちゃんですね。デイジーちゃんが動き出しました。


「ロータス!?私は大丈夫だから、天使様を離して…っ!」


「て、天使様!?」


「……?ーーっ!すみません天使様!」


「だ、だからなんで天使様なんですか!?あと、土下座はしないでください!?」


「天使様じゃないんですか……?」


「人間ですよ!?」


確かに今世の私は可愛いと思うけど、出会って数秒で土下座するのはおかしくないですかね?ーーって、そうじゃなくて


「あの、すみませんでした。さっき、私のせいで倒れていましたよね?」


「はあ!?大丈夫か?デイジー」


「へ!?だ、大丈夫だって!何もされてないよ?」


「でも、私のせいでってこいつが…!」


「あ、ああ。それはそのぅ…。ーーあ、あまりにあなたが可愛すぎて倒れちゃいました!」


「はい?」


「……あー、なるほどなあ」


「なるほど…」


???何が?何がなるほどなんですか!?少年とデイジーちゃんのお母さん?確かに、今世のアイリスの顔は前世でもなかなかお目にかかれないくらいの顔面偏差値激高美少女ですが、見ただけで失神するなんてことはあり得ないと思うのですが??


「と、とにかく。私のせいで気絶してしまったんですよね?怪我はしませんでしたか?」


「はい!大丈夫です!お気になさらず!むしろお手を煩わせてすみません!な、何かお詫びをさせてください!」


んんー?私のせいで倒れたのにお詫びとか、おかしくないですか?でも、そういうことなら図々しくも利用させてもらうことにしましょう!


「なら、私とお友達になってくれませんか…?」


今更すぎますが、少しでも好印象になるようにと笑顔&上目遣いで聞いてみます。……そこ、あざといとか言わない。

ボンッと真っ赤になり、口をはくはくとしていた女の子が言いました。


「だ、大丈夫です!!」


この子、この短時間で四回も『大丈夫』って言ってるなあ。なんて考えながら、断られたという現実から逃避してメデューサ状態になるのでした。

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