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眠たい気持ちを越えて二人のために

「眠い……」

 朝、テストを受けるために学園の校庭に集まっているツムギ。ウトウトと眠そうに目を擦り、あくびをしている所を隣にいたナオに見られて、慌てて誤魔化すようにエヘヘと笑った

「ちょっとツムギ。大丈夫?」

「うん……。昨日、眠れなくて……」

 二人が話をしているとカホも話が聞こえて、心配そうにツムギに話しかけた

「テスト休む?別の日にも受けれるし」

「ううん。二人に迷惑かけちゃうからテスト受けるよ」

「でも……。ねぇ……」

「大丈夫だって!早くテスト終わらして、みんなでお昼寝しよう!」

 心配そうに顔を見合わせるカホとナオに、心配かけまいと元気よく大きな声でそう話をしていると、学園のチャイムが鳴り響き、ガヤガヤと騒がしかった声も静かになり、ニーナがニコニコと笑顔でツムギ達の前に現れた


「みなさん、おはようございます。今日のテストは昨日とほぼ同じ内容となっていますが、少々難しくなっていますが、昨日よりも早く終了させるように、みなさん頑張ってくださいね」

 ニーナの言葉に、テストを受けるツムギや他の生徒達の緊張感が一気に増していく

「そうそう。不参加の生徒がいますが、その分は、各自で補うように。では、怪我をしないように頑張ってくださいね」

 ニーナの話を聞きながら恐る恐るナオを見たツムギ。その視線を感じたナオが、一瞬ツムギを見て、はぁ。とため息をついた

「気にしなくていいよ。どうせ、魔法見たことなかったんだし。手伝ってもなかったからね」

「そうだけどさぁ……」

 ヒソヒソと話す二人の様子を心配そうにカホが見ていると、また周りがガヤガヤと騒がしくなりはじめた

「もう行こう。みんなテスト始めてるよ」

「……うん、行こう」

 ツムギ達が話を終えると、ルトとララ、ナツメとココが現れると、気合いが入っているのか、四人ぎゅっと手を取り合って何度も頷いている




「リンさん。レアスを見たという近辺の捜索が一通り終えました」

 ツムギ達が、ニーナの話を聞いている時、その様子を見ていたリンに学園の職員が声をかけてきた

「レアスはいたか?」

「いえ、姿は確認できませんでしたが、魔術を行われた場所があります。今は、その付近を捜索しています」

「そうか。なら、今からその場所に向かうからテストの警護を他の者に引き継いでもらえるか」

「わかりました」

 リンとの会話を終えて、学園へと戻っていく職員の姿を見届けた後、校庭の方に目を向けると、テストを受けるために空を飛ぼうとしているツムギ達を見て、ふぅ。とため息ついた

「迷子は困るね。あまりにも遠くにいるようで近くにいるみたいだし、どうしたものかな……」

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