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フラれても大好きです  作者: 赤白 青
9/9

強さの証明


これは魔法か?

防御態勢で窓ガラスを割って校庭へと放り出される。

なんとかバランスを取って着地すると前方からは強そうな気配が近寄ってくる。

気配的にはブーンより上だな。


「ん?」


そして右からはものすごく強そうな人が近づいてくる。

更に背後からは意味わからんぐらい強そうな人が近づいてくる。

なんかいつの間にか囲まれてるじゃん。

なんだいきなり。新手か?

すごい殺気がびりびりと伝わってくる。


前方の男は同じ学生服の為、学園の生徒であることがわかる。この気配からして学園ランキング1位かもしれない。

右からは魔法騎士団の制服を身につけた女性がこちらに近寄ってくる。顔は・・可愛い。

そして後ろからは紺のローブを見に纏った熊みたいなゴツいおっさんが近寄ってくる。


「「「重力魔法 重力場5倍」」」


いきなりなんて魔法使ってくるんだよ。

重力場はその場にいるものにかかる重力を上げる魔法だ。

それをいきなり5倍だなんて、くるってやがる。


「武装。反重力の衣」


俺は慌てて異空間から薄い紫の反重力の衣を身に纏う。

なんとか立ってられるけど、5倍の重力はきついな。


「お前はアサヒに話しかけるだけでなく、告白までした。本来なら即死させたいところだが、貴様に慈悲をやろう。死にたくなかったらもう二度と関わらないと誓え」


三人が一歩ずつ近づくにつれてだんだんと重力が強くなる。

こいつらマジで何者だ。ってか俺からアサヒを奪うだと?そんなの答えは決まって


「嫌だね。アサヒと関わらない人生なんて死んでるのと一緒だ。」


「なら死ね。」


重力が強くなり、片膝をつく。

ミシミシと体に重力がかかっていく。

くそ、このまま死んじゃうのか。


ドクン


異空間から何かの武器が俺を呼んでいる。

そんな余裕ないんだけどな。っと思っていると勝手に武器が出てきて俺の前に刺さる。

この剣は師匠の刀である翡翠の剣。使えってことなのかな。

じゃあお言葉に甘えて。使わしてもらいます。

俺は剣を握り、意識を集中させる。


「この世の全てを知り、全てを断つ光の一刀・・」


俺の刀の刀身に光が帯びる。


「まさか、この技は!使い手がいたのか?」


熊のおっさんがなんか言ってる気がするが、この重力場だ。気にしてられない。


「理の太刀 太陽」


俺が刀を全方位へと振り切ると重力場を木っ端微塵に吹っ飛ばした。

理の太刀は全ての事象を切ることが可能な剣である。

そして、魔法を切ると同時に術者の魔力まで一刀両断することが出来る。


「ありえん。魔法が使えない。こんなことが。」


「落ち着きなさい、ヒルマ。私たちは彼に魔力毎切られた。負けよ。」


「ユウヒの言う通りだ。彼は強い。少年よ、突然の無礼を許されよ。我が名はヨルマ」


ヨルマだと。この名を知らないものは恐らくこの大陸にはいない。

最強と謳われるSランクの人間だ。



「アサヒの父だ。」


「なにーーーー!」


まさかアサヒの親が最強の男だったとは。

かなり驚いて開いた口がふさがらない。


「私は姉のユウヒです。魔法騎士団総司令やってます。キミ強いね。」


魔法騎士団の総司令って実質のトップじゃん。

聞いたことがあるぞ、滅多なことでは姿を現さないが、現在の総司令は過去最強の女帝が束ねてるって。



「あそこで悔しがってるのが、歴代学園最強と噂されてる学園ランキング一位のヒルマね。けどキミの方が強いから二位かな」


あっさりと次から次へとすごいことを言ってくれて頭の処理が追い付かない。

アサヒの一家ってかなりヤバイやつらなのか。

けど、ここに両親と家族がいるなら都合がいい。


「娘さんと付き合う許可を下さい。」


俺は土下座して頼み込むことにした。

アサヒ本人の気持ちは絶対ではあるが、まずは外堀りを埋めていこう。


「アサヒが良いなら別に構わんぞ。」


「父上、本当によろしいんですか?このような者がふさわしいとは思えません。」


「彼は私たちより強い。娘を預けるには十分な理由だ。彼ならば娘を守りきることができよう。」


マジか。やったんじゃね。

これで許可おりたのか?



「お父さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、彼をいじめないで下さい。どうかお助けください。彼は悪い人ではありません。」


俺が土下座している姿を見て助けにきてくれたのか、必死な様子でヨルマたちに語りかける。


「アサヒ、何か勘違いしているようだが、今しがた我々は三対一で彼に敗れたのだ。」


「えっ?」


そりゃ驚くよな。

キョロキョロするアサヒに目があったユウヒは頷き、ヒルマは悔しそうな顔をしている。


「どういうこと?」


「彼は我々より強いということだ。お前が望むなら彼との交際を許そう。」


「ええええええええ!」


そりゃ驚くよね。最強と言われてるヨルマが敗北宣言だもん。しかも俺に。よしこれで証明出来たろ。


「アサヒ、大好きです。俺と付き合って下さい。」


ここぞとばかりに俺は土下座で頼む。


「嬉しいけど、こんなのなんかイヤだーーー」


走って逃げ出したアサヒを俺は追いかける。

必ず振り向かせてみせる。

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