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フラれても大好きです  作者: 赤白 青
7/9

仕返し


ワープした先はどこかの畳の部屋であまり片付けられておらず、男の部屋って感じがする。


「無意識のうちに僕の部屋へ来てしまった。」


「アサヒが大変なんだよ、なにミスってんだよ。さっさと行け」


「俺が魔王倒すんだからさっさと行け」


「我こそが真の魔王だと証明するんだから、さっさと行け」


「わかった。わかったから殴るな。じゃあ行くぞ、サンシャインワープ」


「次も変なところだったらぶっ飛ばす。」


光に包まれてワープした先はランキング戦の舞台であった。さっきとは景色が少し違う気がする。どうやらちゃんとワープできたみたい。


「招かれざる客のようだな。」


恐ろしく低い声でさっきのやつと同じ魔族の者たちが四人立ってこっちを見ている。


「魔王様、先客も片付いたので、ひま潰しにはちょうどよいのでは?」


魔王様?ほぉ~あれが魔王か。はじめてみたけど威厳があるな。

ってか魔王なんてまだいたんだね。知らなかった。教科書ではかなり昔に退治されたって書いてあった気がするけど、事実と異なることってあるだ。


「みんな早く逃げなさい。あなたたちで勝てる相手じゃないわ。」


四人の後ろから傷だらけで額からも血を流しているメアリー先生が必死に叫んでいる。

そして、その後ろにいた!アサヒだ。


「黙れ人間が。」


「きゃ」


メアリー先生がアサヒのいる方へと魔法で飛ばされる。


「魔王様、いかがなさいますか?」


「魔王は勇者である俺にやらせろよ。」


「なら我は誰が真の魔王かをこの下々に分からせればいいのだな。」


「みんなを救う英雄(ヒーロー)に俺はなる。」


相手の言葉を遮るようにジャンク、ムーン、サンは戦闘態勢に入る。

俺は気配を消して、アサヒの方へと向かう。


「貴様らはあの男よりも強いのか?」


魔王と言われる男が指差した先には見慣れた服装の男が倒れている。


「この学園最強と言われているようだが、弱すぎてすぐに殺してしまったわ。人間は脆いな。」


最強の男。まさか、校長先生か。あの絶対的存在である校長先生が殺されるなんて。

よくよく周りをみるといろんな所に生徒たちが生死は不明だが、傷だらけで倒れている。

この会場ヤバいかもしれない。

サンたちも校長先生の死を目の当たりにして、戸惑いが見える。

ここは普通なら逃げの一択だ。

普通ならな。


「勇者になるために・・」


英雄(ヒーロー)になるために・・」


「魔王になるために」


「「「逃げるわけには行かない。お前らかかってこい」」」


だよな。コイツらならそう言うと思ったよ。

けど悪いけど俺はアサヒ助けたらお先に逃げさせてもらうけどな。

何よりも大事なのはアサヒの命だから。

魔族とサンたちがにらみ合いをしている間に俺はアサヒの元へと駆け寄る。

ついでにメアリー先生を見ると、どうやら気絶してるだけで命に別状はなさそう。

ついでに連れて逃げるか。アサヒも気絶してるのかな?

駆け寄っても反応のないアサヒを抱き起こすと、やはり気絶しているようだ。しっかり呼吸はしてるので、こちらも命に別状はなさそう。

ただ、俺が許せないのはアサヒの頬に傷がついている。

アサヒの顔に傷が。可愛い可愛いアサヒの顔に傷が・・どこのどいつだよ、こんなことしたのは。


「アサヒを傷つけたのはどいつだ?」


「俺だよ。だからどうした?人間の女なんてどいつも一緒だろう。」


赤い鎧を身につけた、牛のような顔をした牛鬼と呼ばれる魔族が悪びれる様子もなく言う。

逃げるのはやめだ。コイツはここで殺す。


「サン、ジャンク、ムーン。この赤いのは俺にやらせろ。」


「別にいいぞ。ならこの中で最も生徒を殺したのはどいつだ?」


「俺様だ。」


青の皮膚に頭に立派な一本角を生やした一角族と言われる魔族が名乗りをあげる。


英雄(ヒーロー)が戦うべき相手は決まった。太陽拳(サンシャインナックル)


サンの両手に光の魔力が帯びる。


「この中で最も魔王への忠誠心が高いのは誰だ?」


「私ですが。」


緑色の皮膚にスキンヘッドの見るからに参謀ですって感じの男が名乗りをあげる。


「我が軍門に下れ。貴様に誰が真の魔王かを教えてやるよ。魔王手(サタンハンド)


ムーンの背後に異空間から何者かの手だけが召喚される。

魔王目の前にいるのに誰の手なんだ?


「ってことで、勇者である俺の相手は魔王だな。行くぞ、エクスカリバー。」


敵は明らかに格上なのに全く臆することなく三人は向かっていく。死ななきゃいいけど。

さて俺もコイツを殺すか。


「いけ、剣たち」


俺は背後に待機させていた剣たちを展開し、牛鬼に向かわせる。


「軽すぎるわ。そんな攻撃ではこの鋼鉄の鎧に傷一つつけることが出来るわけがなかろう。」


確かに牛鬼の鎧に向かっていった剣たちは弾かれている。

なるほど。単機での攻撃は通らないか。さすがはご自慢の鎧だ。なら単機やめるか。


「集え、剣たち。この剣に。」


俺は右手の剣を天にかざすと、俺の元に戻ってきた剣たちがどんどん取り込まれていき、剣からは桜色のオーラが発せられる。

踏み込んで一気に牛鬼との距離を積める。

鎧に絶対的な自信があるのか、牛鬼は避ける素振りも見せない。ならこのままいかしてもらうぞ。


十花一閃(とうかいっせん)


振り下ろされた俺の剣は何の抵抗もなく、牛鬼を両断する。真っ赤な血しぶきをあげることなく、その代わりに桜の花びらが牛鬼から舞い出てくる。

鎧に自信持ちすぎだろ。まぁけどどうせ避けることなんて出来ないだろうから一緒か。

そのまま牛鬼は膝から崩れ落ち倒れる。


「これは驚きましたね。まさか牛鬼を圧倒するとは。あなただけは別格に強いようですね。」


声のする方へと反応するとそこにはスキンヘッドの魔族と一角族の魔族と魔王が先ほどと同じ態勢で立っている。

アイツらはどこに行ったのかと見渡すと壁に横たわっているサンとジャンク、ムーンを見つける。

三人とも生きてはいるようだ。



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